読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『禁じられたジュリエット』 ミステリの存在する意義

古野まほろ『禁じられたジュリエット』読んだ。古野さんの長い警察(体制側)キャリアと本格ミステリへの強い拘り、そしてガジェットに対するフェチズムがなければとても書けなかっただろう大作。どすげえ。Kindleストアで今安い。 禁じられたジュリエット作…

『ワールドトリガー』「主役になれなかった人たち」の物語

『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール』(以下、『劇場版SAO』)を観ました。先週観たばかりでしたが、特典の書き下ろし小説ほしさに。あと先週は原作の事前知識ゼロで行ったので終始「アスナさんの髪がめっちゃ長い」という感想しか…

『劇場版SAO』 アスナさんの髪がめっちゃ長い

『劇場版SAO』観てきた。 sao-movie.net 『SAO』の前知識は主人公とヒロインだけはキャラクターとして知ってて、あとは結婚することとオンラインゲームものってことは知ってて。つまりほぼ前知識ゼロでしたが、観る上で困ることはなかったです。現実世界のこ…

ブログを書くときに意識していること2017

2009年から漫画の感想などを書いてきて、ここ2年でやっとスタイルが確立してきたなと感じています。そこでブログ書くときに意識していることを書きます。誰かの参考になるかは分かりません。 当然と言えば当然ですが最後まで読んでもらいたいと思っているの…

『悪役シンデレラ』 ヒーローショーの悪役は女子高生!?

雑誌でたまたま出会ったデビュー作「退屈しのぎは華やかに」(単行本『かわいいから許す』に収録)が気に入って以来注目していた三月薫さんの作品ということで、内容全くチェックせずに読み始めた『悪役シンデレラ』。 なんとご当地ヒーローショーのヒーロー…

桜庭さんを尊敬するたったひとつの理由

あなたがまだ桜庭さんを尊敬していないのなら、あなたは桜庭さんを尊敬しなければならない。あなたがすでに桜庭さんを尊敬しているのなら、あなたは桜庭さんへの尊敬が足りない。 われわれは桜庭さんを尊敬しているのではない。桜庭さんを尊敬させてもらって…

2016年に読んだ漫画ベスト5

ぼくのこの漫画がすごい5作。『柊様は自分を探している。』・『響 ~小説家になる方法~』・『ワールドトリガー』・『じけんじゃけん』・『思い、思われ、ふり、ふられ』でお願いします。— 水星 (@mercury_c) 2016年12月29日 ついついツイートしてしまった…

『Life Is Strange』 何度でも選び直せる選択肢の重さ

『Life Is Strange』をクリアー。もともと『ペルソナ5』をがっつりプレイできる時間を取れないから短い手軽にできるゲームを探していたはずなんですが、確かに短いけれどその代わりとんでもなく重いゲームでした。ゲームやって吐いたの初めてだよ。どうして…

今週のマガジンに『スクールランブル』最終回が載っているという話

今週の週刊少年マガジンに『スクールランブル』番外編が載っています。8年ぶりに帰ってきたスクランの、これ以上描くと蛇足になるめいいっぱいの事実上最終回であったと思います。 natalie.mu 週刊少年マガジン 2016年53号[2016年11月30日発売] [雑誌]作者:…

今週の黒ロン:『星野、目をつぶって。』

今週の『星野、目をつぶって。』が髪ってる。髪ってます。 星野、目をつぶって。(1) (週刊少年マガジンコミックス)作者: 永椎晃平出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/07/15メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見る 『星野、目をつぶって。…

フィクションにおける兄・姉という立場 ~黄前姉と宮森姉~

現実に自分が兄であり弟であるという立場を持つことと関係があるのかもしれないが、最近フィクションにおける兄・姉といった立場に注目している。 少年誌掲載のバトル漫画において主人公がその兄弟と敵対していた場合、9割以上の確率で主人公が弟(兄が敵)…

2016年の「橘田いずみ語録」感想

宇都宮餃子祭り2016。その後のディナーパーティーとして『橘田いずみ餃子リサイタル2016 ~私はラー油でありたい~』という、実際行った人にしか意味が分からないタイトルのイベントが催された。 mercury-c.hateblo.jp 昨年のレポートはこちら。 参加者200名…

『聲の形』の、髪の形

「どうやったら自分が昔より成長したって事を証明できるんだろう」(佐原みよこ) koenokatachi-movie.com 『聲の形』の、髪の形 映画『聲の形』ではキャラクターが髪型を変えるシーンが散見される。 「聲(声)」が西宮には聴こえないものであり、また他者…

『君の名は。』の腑に落ちなさについて

『君の名は。』。なんとも腑に落ちない映画だった。観ている途中、美しさに心を奪われるシーンはいくつもあって(自然や高層ビルや星空、女子高生や女子大生の描写がそれだ)、あったが、やはり妙な違和感が残って、腑に落ちない。 それは設定矛盾を突きたい…

今年の黒ロン:『みわくのあくま』

(※忙しくて告知が出せませんでしたが、9月6日黒髪ロングの日にちなんだ、今年の黒ロン更新になります) comic.pixiv.net 『みわくのあくま』の上段世志子さんはクールな見た目に反してとんでもなくドジで、信じられないほど走るのが遅くて、運動神経も悪…

ラブコメ作品をどうやって長期化させるか問題

週刊連載の長編漫画は難しい 漫画の長期連載、特に週刊誌連載は(雑誌の方針によって程度の差はあれど)人気があれば長期にわたって続き、なければ短期で終わる。それは著者本人も物語の長さの想定が困難であることを意味する。 今描いている話があとどれだ…

『BE BLUES!』を読んでいない人のための『KICKS』(と桜庭さん)解説

『HUNTER×HUNTER』が休載決定でもう終わり? いやいや俺たちには桜庭さんがいるだろ!!! BE BLUES!?青になれ?(13) (少年サンデーコミックス)作者: 田中モトユキ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/05/21メディア: Kindle版この商品を含むブログを見…

今週の黒ロン:『小説の神様』

アニメ制作を主題にしたテレビアニメ『SHIROBAKO』に平岡というキャラクターがいます。 かつてアニメ制作に夢を抱き熱心に取り組んできた平岡は、業界の理不尽な現状に直面し、経験は積み仕事はできるが雑にこなすだけの状態になって現れます。業界に失望し…

『うちのクラスの女子がヤバい』という革命

1年1組はどこにでもあるごく普通のクラス。だけど、他のクラスとはちょっとだけ違うところがありました。女子生徒がみんな、「無用力」と呼ばれる、まるで何の役にも立たない、それも思春期だけしか使えない超能力を持っていたのです――。思春期女子はへん…

『ライブ ミルキィホームズ 総天然色祭』感想

初期のミルキィホームズは競馬場や始球式や平安神宮でライブをやるなど、妙なコラボ企画を連続していた。これは「他のどんなユニットもやらないようなこともやるのがミルキィホームズである」という宣言であり、新人ユニットとして登場したミルキィホームズ…

『響 ~小説家になる方法~』の巧みなミスリード(ネタバレなし)

今号のビックコミックスペリオール掲載『響 ~小説家になる方法~』第32話「絶縁」が素晴らしい。巧みなミスリードが見事にはまった回で、「あんなに前からだまされていたのか!?」というミステリ作品の叙述トリックに似た快感を得られる。そして月曜日ジ…

今週の黒ロン:『ななしのアステリズム』

連休も終わりが見え始め、ふと高校を出てからもうずいぶん経ってしまったなあと昔を思い返す。どころか大学を出てからもしばらく経っていた。 そんなふうにまあ、ぼくもそこそこに生きてきたから実感を持ってこういうことを言うのだけど、昔すごく仲が良かっ…

「七転八倒」の意味を塗り替える『逆襲のミルキィホームズ』

――長年愛されている本作ですが、この作品の魅力とは? 「ミルキィホームズがダメダメなところですかね(笑)。このダメダメな子たちが一生懸命頑張って事件を解決しようとする、前向きなダメさというか。どんどん前に突き進んでいく感じがパワーになっているん…

Kindleで二千冊持っているぼくの管理方法

honeshabri.hatenablog.com 『ファンタジスタドール イヴ』いいですね。ぼくも3倍とまでは言えませんが、確実に読む本や漫画の量は増えています。 これからタイトル通りのことを書こうと思いますが、その前にKindleユーザとしての自分の情報を書いた方が良…

今週の黒ロン:『柊様は自分を探している。』

本日発売の週刊少年サンデーで西森博之先生の新連載『柊様は自分を探している。』が始まりました。西森先生は昨年、新編集長が名前を挙げてカムバックを期待したベテランであり、最近勢いの良いサンデーの面白さがこれで安定するのではと思います。 週刊少年…

今週の黒ロン:『祝姫』

竜騎士07さんの新作『祝姫』は黒髪ロング好きで有名なイラストレーター・和遥キナさんと組んだもの。全年齢向けのわりにえろいしえぐいですね。 伝奇とジャパニーズホラーに少しギャルゲーのノリを混ぜ、怖かったりバカだったり感動したりをスイッチをオンオ…

ムシブギョーのデザイン変更とサンデー編集部の対応について

既にYahooニュースにも出ている通り、サンデー連載中の『常住戦陣!! ムシブギョー』の新キャラクターが中国のスマートフォン向けゲーム『少女前線』のキャラクターと似ているという関係者からの指摘があり、それを受けてサンデー編集部がキャラクターデザイ…

今週の黒ロン:『リクドウ』

恵まれない家庭で育ち、幼くして両親と別れ、児童養護施設に移ってからも自分のせいで周りの人が不幸になっていく不幸を経験した少年・リク。自らの無力さを痛感し、力を求めるリクはボクシングに出会い、生きるためにボクシングを始めます。 リクドウ 6 (ヤ…

3月のライオン・SHIROBAKO・ミルキィホームズ

明けましておめでとうございます。今年も弊ブログをよろしくお願いします。 今年の正月休みは例年と比べ短いものでしたが、TOKYO MXでは1月1日にミルキィホームズ、1月2日・3日はSHIROBAKOと好きなアニメ2強が放送され、良い一年の始まりでした。そん…

今週の黒ロン:『新米姉妹のふたりごはん』

『新米姉妹のふたりごはん』。『甘々と稲妻』と同じく料理の楽しさと黒髪ロングの美しさがメインの漫画。『甘々と稲妻』が一般的な家庭料理を通じて「家族」になるのに対し、こちらは特別難しいわけではないけど「こんなものが家庭で作れるんだ!」て体験の…

ロングヘア女性キャラクターのお風呂シーンについて

http://togetter.com/li/909317togetter.com 黒ロン警察とかはよく分からないんですが、ちょっと気になったので見解を示しておきます。 いつだったか、ロングヘアの女の子のお風呂シーンを描く時、女性作家は絶対髪をまとめるのに対し男性作家は髪を湯船に垂…

橘田いずみと楽しむ「宇都宮餃子祭り」1泊2日ツアー感想

10月31日から11月1日にかけて、”橘田いずみと楽しむ「宇都宮餃子祭り」1泊2日ツアー”なるイベントに参加してきました。拍手。 ミルキィホームズ声優にして餃子評論家兼宇都宮餃子PR特命アンバサダーの橘田いずみさんと一緒に宇都宮餃子祭りに行こう…

今週の黒ロン:『FLOWERS春篇』

超一級の黒ロン描きである杉菜水姫さんが自らディレクターも務めるInnocent Grey初の全年齢向けゲーム『FLOWERS』。PC版で高評価を得たものが昨年ついにPS Vitaで発売され、今月はその続編も出たというタイミングでやっとプレイできました。まずは黒ロン・ミ…

今週の黒ロン:第年秒『5秒童話』

ジャンプ+の新人作品で、著者は中国人の方のよう。主人公の童が何者かによって高層マンションから落とされ、落下するまでに流れるゆっくりとした5秒間を描いた漫画。 5秒童話 (ジャンプコミックスDIGITAL)作者: 第年秒出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015…

『トクサツガガガ』「理解できない行動を理解しようと努める」大切さ

今年の上半期十選の中でも最も推していた『トクサツガガガ』。下半期に入ってもその評価は変わらず、すばらしい。 mercury-c.hateblo.jp 主人公の仲村は特撮オタクですが、特撮好きに限らず、公言できない趣味持ちの人や働き始めの若い人には頷くことも多い…

「黒髪ロングは美人しか似合わない」なんてウソ

黒髪ロングは美人にしか、似合わないと思いませんか?detail.chiebukuro.yahoo.co.jp 「黒髪ロングは美人しか似合わない」は間違い 9月6日は黒髪ロングの日です。なんですが、どうも世の中には「黒髪ロングは美人しか似合わない」と信じている人がいるよう…

黒ロン祭2015開催のお知らせ

9/6 参加作品一覧を追加(最下部) blacklong festivalつまり黒ロン祭。今年も開催の告知です。 昨年は黒ロンオブザイヤーという形を採りましたが、今年は信頼と実績(?)の自由形式に戻します。 黒ロン祭とは? pixivユーザであれば黒髪ロング絵を描いたり…

染めた髪を黒髪ロングと呼んでいいのか問題について

ぼくが『王とサーカス』とかいう黒ロン小説を読んでいる間に、Twitterで「地毛が茶のロングヘアーの人が黒に染めた場合、それを黒髪ロングと呼ぶのは有りか無しか?」という髪学論争が起きていて、例によって流れに乗り遅れてしまったのでブログの方に見解を…

2015年上半期に読んだマンガ部門別十選

はじめに 当ブログ初の試みとなりますが、上半期単位での読んだ漫画十選を発表します。今年はわりと漫画を読んでいる年で、このへんで一度整理しておきたいというのと、あとは周りで何人か作ってる人がいて面白そうだなーと思ったので。 レギュレーション 過…

今週の黒ロン:『響け!ユーフォニアム』

『響け!ユーフォニアム』を観ています。アニメの醍醐味はやはり動きですね。 響け!ユーフォニアム 1 [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2015/06/17メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (27件) を見る ちょうど直近で観ていた『SHIROBAK…

木々津克久『兄妹』で気になったコマ

木々津克久さんの『兄妹』2巻が発売されました。女子高生の妹と元警察官・現ガイコツ幽霊の兄とが組むミステリもの。 木々津さんの漫画はどれも好きですが今作は特に。過去作でも見られるホラー・ギャグ・ミステリ・人情もの・社会風刺などなどのバランスが…

『SHIROBAKO』の残酷さと宮森姉について

先週のニコニコ生放送ではじめて『SHIROBAKO』を観た。放映当時は各所でいろんな方々が楽しんでおり、きっと良い作品なんだろうとは思っていたが、ちょっとした理由で今後も観ることはないものと思っていた(詳細は後述)。 今回はじめて観て自分にとっては…

今週の黒ロン:『羊のうた』から『マホロミ』へ

2010年代を代表する黒ロン漫画と巷では有名な冬目景『マホロミ』、完結です。2010年の連載開始から4巻で完結と冬目景作品としては珍しく良いペースできれいにまとまった長編ではないでしょうか。この後に『イエスタデイにうたって』完結というまさ…

TD、あるいは継承されるミルキィホームズ

『探偵歌劇ミルキィホームズTD』最終12話すばらしかったよ。 探偵歌劇 ミルキィホームズ TD 1 [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2015/03/18メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (11件) を見る アニメ1期2期にサマースペシャルを…

『トクサツガガガ』の大人像がステキ

丹羽庭『トクサツガガガ』をスルーしてたのが、「特撮そんな興味ないしなー」とスルーしていたのが悔しいです。昨年中に読んでいれば新作部門のベストで紹介できたのにー。 トクサツガガガ(1) (ビッグコミックス)作者: 丹羽庭出版社/メーカー: 小学館発売…

「美少女キャラ表現」の必要性

何年か前にid:izuminoさんから聞いて以来注目している「美少女キャラ表現」について、自分なりにまとめてみます。 美少女キャラ描写は自分の場合言われなきゃ気付かなかったけど言われるとひどく気にし出すタイプの話だったので、マンガで美しさの差異や描き…

『ゴールデンカムイ』という王道サバイバル

昨年より単行本の発売を待ちに待っていた『ゴールデンカムイ』。 おもしろい。めちゃくちゃおもしろい。ありふれた、ありきたりな、もう飽きたはずの王道サバイバルがこんなにもおもしろい。 そう、『ゴールデンカムイ』のおもしろさは、やはり埋蔵金探しと…

『からかい上手の高木さん』で最悪死ぬぞ

『からかい上手の高木さん』。いやー危険な漫画だねーと、ちょっと読む手を止めてしまった。「いやー危険な漫画だねー」だなんて、突き放して距離をとらないと危険と察したのだ。 何が危険か? お話は至ってシンプル。隣の席の高木さんはいつも西方くんにち…

今週の黒ロン:『コンティニュー』

『COMIC快楽天2015年3月号』に掲載された読切漫画、きい先生の「コンティニュー」が優れた黒ロン漫画であったため、初めてエロ漫画のレビューをしようと思います。画像は無しでがんばります。コミック快楽天 2015年 03月号 [雑誌]作者: ワニマガジン社出版社…

映画『花とアリス殺人事件』の圧倒的な幸福感

映画『花とアリス殺人事件』を観てきた。2004年に公開された実写映画『花とアリス』の前日譚として製作されたアニメ映画だ。映画『花とアリス殺人事件』公式サイト 花とアリス [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2012/09/05メディア: Blu-r…