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ラブとか夢とか言わずに『アイマスDS』をやれ

アイマス

ラブとか夢とか言っている場合ではありませんっ!(桜井夢子)


ドリームクラブ』も『ラブプラス』も持っていない私はせめてものネタに『アイドルマスターDS』を始めた。



アイマスを全く知らない方でもDSで「男の娘」が出るという話はそれなりに大きかったから知っているかもしれない。その噂に名高い「男の娘」、涼ちんこと秋月涼の話をやっとクリアしたところだ。

一言で感想を言うと、すばらしい。まさにラブとか夢とか言わずに15歳以上の方はぜひ『アイマスDS』をプレイしてもらいたい(CERO Cだから)。以下、涼ルート感想。おそらくネタバレはありませんが気にする方は読まない方がいいかと思います。

ある日、涼は同級生から
「俺の・・・・・・カノジョになってくれないか?」

と告白されます。あわてて断る涼。なぜなら涼は、「男の子」だからです! 男性から何度も告白されるほど可愛い涼でしたが、中身はいたってフツーの男の子。男同士でお付き合いなんて趣味はないのです。

いろいろな意味で身のキケンを感じた涼は、前から考えていた、ある計画を実行する事にします。

「律子姉ちゃん。僕も、律子姉ちゃんみたく、アイドルになりたい!」

それは、いとこで765プロの現役アイドル、秋月律子を頼ってアイドルになること。そしてイケメンに、もっとカッコよくなりたいと願う涼。

(中略)

が。

876プロの石川社長は一言、
「断じて、女の子デビュー。それ以外は認めません」

アイドルとしての才能に男も女もない、まずは女の子としてアイドルのチカラを証明してみせて、と語る社長。成功すれば、男性へのコンバートを手伝ってもらえると言われ、遂に涼は、
『イケメンになるために、女の子アイドルとしてデビューする』

ことを了承するのでした。(公式キャラクター紹介より)


はじまりはこんな感じ。ばかな話だと思うだろう。その通り、ばかな話だ。

この「男の娘」というネタにひかれて買ったわけだが、結果的にすばらしい物語を見ることができた。

私もそれなりの量の物語にふれてきたから、このゲーム以外で「男の娘」を見たことも珍しくない。しかしネタだけに終わらずこれほどまっすぐに「男の娘」に向き合った物語を、私は他に知らない。



この『アイマスDS』、売上はどうか知らないが話題性では『ドリームクラブ』、『ラブプラス』に持っていかれた感がある。二作と比べるとネットをまわっていてもまともな感想や考察をあまり見ない。これほどの良作が埋もれているとは残念だ。


DSは商業的に見てかなり惜しい点が多い。一つは前に述べた2作と発売時期がかぶった(しかも遅れた)こと。一つはアイマスを動画制作の「素材」として使おうとする層(アイマスにおいては多いとわりと思われる)がおそらくはDSの画質の低さゆえに動かなかったこと。


そして対象年齢を15歳以上としたこと。これは二つの意味で失敗だと思う。

一つは(Nintendo DSの保有層である)子供が買えないこと。

そしてもう一つは(これほどの良作を)子供ができないこと。


このゲームを子供がやれないという事実に私はまるで童話を子供が買えないような違和感を覚える。
それくらい、これは子供にこそやってほしいゲームだ。なんら難しくはなく優れたストーリー。同じくDSのゲームである『逆転裁判』を彷彿させる。





「夢をあきらめないで」

昔からあまりに多くの人が言ってきたために陳腐に聞こえるこの言葉も、「男の娘」である涼が、トップアイドルになるという特殊な道をたどってきた涼が言うことで心に響くものになる。涼が行き着いた結果。それが「夢をあきらめないで」だ。


ある者は『アイマスDS』のゲームとしての欠陥を嘆くかもしれない。確かに私もノーレッスン(アイマスを知らない方はレベルアップ禁止と置き換えて読んでください)でクリアした。ゲーム要素を楽しんだ記憶は少ない。ある者はシナリオをご都合主義と非難するかもしれない。確かにこの話はご都合主義的だ。現実があんなにうまくいくはずもない。


だが、それでも私はこのゲームを評価する。



涼の持ち歌は「Dazzling World」。私は恋愛がテーマのように聞こえるこの曲よりも「Hello!!」の方がエンディングにはふさわしいと思ったのだが、ふと「Dazzling World」の「二人」て自分の中の二人を指しているんじゃ・・・と至って急速にこみあげてくるものがあった。

二人が逢えた人生も 一度きりだと知ってるわ

手と手つないで歩きだす あなたと生きる すばらしい世界(「Dazzling World」)


たとえ「男の娘」でなくとも、誰もが二人の自分を持つものだから。



最後、トップアイドルとなった涼はライバルの桜井夢子に、「ひょっとして男の子なの?」と問われる。
このときの涼の返し(「ちがうよ」を選択した後に続く言葉)がすばらしい。実際にプレイして確認してほしいのであえて書かないが、かっこいい。涼ちんかっこいいよ涼ちん


  • 参考

言いたいことはほとんど陽一Pが言ってくれてます。この人は本当にすごい。