2009年私的漫画BEST5

『このマンガが凄いから読め!(仮称)γ版・2010』…略して『こすヨメγ2010』

ポンコツ山田.comさんにて知った、こちらの企画に参加させていただきました。

元から年間ベストは作る気でいたものの、当初はBEST3+αとするつもりでいたため、残り2枠の争いが10作品を超えて、結果的に思わぬ入れ替わりが起きるなどとても熱かったです。選考基準は「私のいれこみ度」+「漫画読んでよかったと感じた度」。順位付けはその他諸々を加味し決定。

  • 2009年総合ベスト5

惑星のさみだれ 8 (ヤングキングコミックス)

惑星のさみだれ 8 (ヤングキングコミックス)

常に面白い作品が損をするのはこの手のランキングに入るタイミングを逸することだ。主人公の強さ・仲間の強さ・泥人形の強さ・そのバランス、予想の斜め上を行く展開・王道に熱い展開・かと思ったらギャグに入る展開、12人もの騎士のキャラ立ち・彼らのドラマ・生と死、それら全てが、すばらしい。(関連:『惑星のさみだれ』から考える、第一話から面白い漫画の弊害 /『惑星のさみだれ』8巻が超面白い、あと白道さん超かわいい

青い花 4巻 (F×COMICS)

青い花 4巻 (F×COMICS)

主人公に特殊な能力があったり事件が起きたりおこったりするような漫画を描くことは実はけっこうカンタンだったりします。ムツかしいのは日常を逸脱しない物語なんですがそれをサラリ、と描いてしまう筆致、本当に感服します。(by鬼頭莫宏『マンガ・エロティクスエフvol.59』 特集「青い花トリビュート」より)

現在連載中の作品で一番好きな『青い花』。3巻までの中心人物であった杉本先輩が消え、新キャラ投入しての新章。特に京子の家庭事情が明かされ始める演劇・鹿鳴館がすばらしい出来。演劇の中、流れにのって過去が明かされる描写の美しさ!志村貴子の心情描写は私の求める究極のものに限りなく近い。

絶対可憐チルドレン 19 (少年サンデーコミックス)

絶対可憐チルドレン 19 (少年サンデーコミックス)

この手のコメディの真価はキャラクターが増え動き出す中盤から。椎名高志らしい憎めない敵キャラ、さらに中学生編に入ってチルドレンの成長も加わりGSと比べて何ら遜色ないレベルに達している。草食男子の皆本さんを中心に腐女子やオタクや黒い子etcetc出てきて、話題作からのパロディもたっぷり。ベテランの椎名先生が時代に合わせてきた点も評価できる。感銘を受けたとか涙したとか考えさせられたとか、そういうの一切抜きに、この一年純粋に楽しかった漫画。漫画って面白っ!

とめはねっ! 5 (ヤングサンデーコミックス)

とめはねっ! 5 (ヤングサンデーコミックス)

地味な印象の題材の咀嚼・的確なキャラクター配置・文化系部活のノリを出す完成された表現、部活漫画に必要なものを兼ね揃えている。作中の説明が丁寧で、キャラクター特に望月さんの行動がそれを自然にサポートする点に非常に好感をもった。素材がマイナーな漫画での成功例は多くなったが、そのどれもが画力に頼る面が大きいように思う。対して「萌え」や「燃え」を出すような絵柄ではないのに、題材である書道のイメージを覆すパワーがある本作に感嘆。

    • 1位 『虫と歌』

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

虫と歌 市川春子作品集 (アフタヌーンKC)

漫画に限らず例えば小説においても同じだが、私がそれらに求めているのは表現力である。その点で『虫と歌』が今年最も優れていると感じた。収録された4編はどれも実験的でありながら完成された世界であり、それぞれに味がある。何度も繰り返し読みたくなる。読むたび新たな発見がある。良い作品の証拠だ。(関連:『虫と歌』と、ヒトと社会

  • おまけ話

最後まで入れるのを迷ったのが、2009年主演キャラクター賞ぶっちぎりの羽衣狐さまを抱える『ぬらりひょんの孫』。個人のランキングなんて結局は主観だし、おそらく私以外は入れないだろうから入れてみたいと思っていたが、このレベルの作品群と戦うには漫画としての面白さが決定的に不足していた。

他に候補として考えていたのは『少女ファイト』、『友達100人できるかな』、『三月のライオン』、『クオ・ヴァディス』、『放浪息子』、『シスタージェネレーター』、『この世界の片隅に』、『ぼくらの』・・・。いずれも漫画としての面白さに差はほとんどなく、ベスト5は私の好みが反映された結果です。