三角関係の「完結」とは何を意味するか? : 『WHITE ALBUM2 -introductory chapter-』

とある二人の超プッシュをうけ『WHITE ALBUM2 -introductory chapter-』(以下ホワルバ2)やってました。まともにクリアしたエロゲーとしては1年ぶり。具体的には『痕』ぶり……って前もLeafかよ!



(上はアダルトゲームのはり付けが分からなくて仕方なく撮影したパッケージ&初回限定特典・雪菜さん人形)


今回はホワルバ2を引き合いに三角関係ものについて少々まとめようかなと思います。ゲームの紹介記事としては後に引用するところの方が数百倍は参考になります念の為。


  • ホワルバ2は「完結」してるのか?

……しかし、良く考えてみたらこれって序章なんですよね。

既に三角関係モノの話としてはほぼ完結しちゃってますよ?
現状はハイレベルな"教科書通り" - WHITE ALBUM2 -introductory chapter- - 敷居の先住民

次の「closed chapter」がある意味「本編」である……というのは勿論わかるのですが。それでも「ラストにちょっとハッピーエンドの示唆でも加えておけばラブストーリーとして綺麗に完結してるように見える」のが序章。である以上、「序章→終章」という関係よりも「完結した作品→その完結したあとの続編」という関係だと思った方が自然だな、という気がしますね。
「粋」から「無粋」へ踏みこむ恋の物語/『WHITE ALBUM2 -introductory chapter-』 - ピアノ・ファイア


御二方の文章を読んで私は、これを「完結」と言っちゃうのか、と少し驚きました。


もちろんこの引用は恣意的ですし御二方がこれを私の言う意味で「完結」していると思ってはいないことは分かります。「序章としての完結」・「序章という以上に完結」程度の意味でしょう。そしてホワルバ2は序章という言葉の意味するところと比べると間違いなく完結しています。これが一つの物語として提示されてもおかしくはありません。

それでもやはり公式がこれを序章と位置付けている以上、そしてホワイトアルバムが三角関係をテーマにした作品である以上、これを「完結」と表現するのはやや抵抗があるなぁ、というのが私の意見です。


じゃあ、三角関係ものの完結って何だ?


  • 三角関係の完結が意味するもの

一口に三角関係といってもその意味するところは広いですが、ここでは男1女2の男の取り合い恋愛関係と定義。男をA・メインヒロイン(最終的にAとくっつく方)をB・サブヒロイン(Aとはくっつかない方)をCとして三角形ABCで考えます。

三角関係が解決すると、三角形ABCは直線ABとなります。例外もありますがほとんどはそうです。そしてほとんどが同じということは、三角関係もののパターンとして残されたCの扱いがポイントとなります。

つまり三角関係の完結とは、三角形ABCが直線ABとなるのは当然として、「ではCはどこに落ち着くか?」までも含んでいます。Cが単なる敵役としてやられて去るものを除くと(つまりCが「救われる」パターンとしては)、「直線CD型」と「Z軸移行型」の主に2パターンが見られます。

    • 直線CD型

Cは同じく孤立しているDとくっつくパターン。これはDがその時点で作中に登場していたキャラである場合と、Cの救済のための追加エピソードで出てきた新キャラである場合の2つがあります。

    • Z軸移行型

Cが直線ABのあるxy平面から抜けるパターン。xyという恋愛平面から、Aを(またDも)必要としない地点までCが移行(成長)します。例えば『君に届け』のくるみちゃんもCですが、風早くん(A)にちゃんとふられることで一段成長し恋愛トライアングルから抜けだした感があります。

またギャルゲーの複数ヒロインルート分岐制もこれに含まれます。AとBがくっつく一方で、CはA'とくっつくことができる。これが一本道の話で可能ならばシナリ分岐のあるゲームである必要はありませんね。そういう例もありますたとえ(以下ネタバレにつき自主規制)



さて、ホワルバ2の話に戻ります。ホワルバ2のラストでは直線ABが完成しました。これを持って完結と言いたい気持ちも分かります。しかし、前述した通り直線ABの完成は三角関係の完結条件二つの内の一つでしかありません。ホワルバ2ではもう一つの「残されたCをどこに落ち着かせるか?」が解決されていないんです。

本当に、後もう少しフォローするだけで完結できるのに、しない。だからこその序章。ホワイトアルバムが三角関係をテーマにしたゲームである以上、これは公式の言う通り序章に過ぎません。


  • 「完結」に向けて『closed chapter』

何度も同じことを言って申し訳ありませんが、よりにもよってCがまだ孤立自由移動できるというのが私が完結と言いたくない理由で、だってこのCが……なんというか爆弾みたいな子で……。この子を放置したままじゃ素直に感動できないよってのが本音。

というわけで『closed chapter』は、直線ABがラストのようになった状態で点Cを放置したらどうなるか?……という、なかなか類を見ない話となりそうです。いや、これが単にDを出すためだけの追加エピソードであればよくある話に終わりそうですが、まーそんなことはないだろーなーというのは、エンディング曲とAとCとの関係を思い返しても明らかで、全編を通してホワルバ2は「Cという爆弾をどう処理するか?」というお話になることが予想されます。

面白いことにメインヒロインはBなのに物語的にメイン(になるだろう)はCなんですよね。そういう意味でもホワルバ2は三角関係ものとして珍しく面白い例になりそうです。まぁ、要は「面白いからやろう」ってことですね。