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『ぬらりひょんの孫』の対立構図

最近の『ぬらりひょんの孫』がとても面白い……のに誰もふれてくれないので自分で書けばいいんだろこのやろー。

以下の内容はジャンプ33号(第105幕)以降『ぬらりひょんの孫』に関するネタバレになります。単行本派の方はお気をつけを。



ここ最近で『ぬらりひょんの孫』の驚きといえばやはり「鵺」の正体でしょう。私も含む多くの読者はおそらく「鵺」なんてどうせデカブツで出てきてすぐやられる、よくあるパターンを想像してきたのではないでしょうか?

本誌で既に明かされたように「鵺」の正体は陰陽師安倍晴明です(*安倍晴明には狐を母としているいう説もあり、まずこれを利用してつなげたのがうまい)。そして「鵺」を安倍晴明としたことで敵味方の対立構図がきれいになっているのが最近の『ぬらりひょんの孫』の面白いところ。

ふりかえると第93幕(単行本11巻収録)では秀元が自らを「蘆屋家直系京主語陰陽師花開院家13代目当主秀元」と名乗っています。ここで花開院家を最も有名な陰陽師である安倍晴明でなく、蘆屋道満の流れにしているところから今回の話は始まっているのです。

安倍晴明とライバル関係にあった蘆屋道満の直系という因縁(史実だけでなく作品中にもライバル関係が描かれている)から京都の陰陽師ズと晴明との間に対立構図ができあがりました。元々羽衣狐さまと戦う理由は十分だった陰陽師ズですが、ぽっと出のラスボスとも因縁ができているのは史実キャラクターを利用した強みですね。


晴明との対立は陰陽師だけでなく、むしろ主人公リクオとの対立構図が目立ちます。

母を羽衣狐さま、父を人間とする安倍晴明は、人と妖のハーフ。主人公リクオは1/4妖のクォーターで、人と妖の混じった存在という点で両者は立場を共有しています。

過去編(第120幕)ではじめ「陰陽が交じり合ったこの都を私は永遠のものとしたい」と言っていた晴明は、母親である羽衣狐さまが人間に討たれたことで人の愚かさを知り、一転。「この世にふさわしいのは人と妖、光と闇の共生ではない」とし「闇が光の上に立つ秩序ある世界」を目指し、やがて「鵺」と呼ばれるようになります。

バトル漫画におけるいいラスボスはけっこう主人公の別パターン、道を違えた主人公である比率が高いのですが、これはある種自分との戦いになるからです。

晴明とリクオは立場は同じでも目指す世界が別になっており、晴明が「道を違えたリクオ」になっていることで敵対図がすっきりしてます。

またストーリー上はぞう活きるようなものでないですが、母の件で闇に堕ち母に寄っている晴明に対し羽衣狐さまを父の仇とし父の技を会得したリクオという父性と母性の対照も興味深いものがありますね。


まぁ、これらの対立構図がすべて完璧に描かれ切っているかというとUmmmmなとこもあるのですが、それにしても俄然面白い展開になってきました。


ところで『ぬらりひょんの孫』は現在アニメ放映中で好調ですが、私は今の京都編が最後のエピソードかもう少しおまけが続くかもくらいに考えていて、理由は上に書いたように「鵺」がラスボスとして優れておりこれ以上は描けないだろうという判断、また主要な国内妖怪地域は描いてしまったこと、そして第77幕(単行本9巻収録)でじーちゃんが京都へ向かおうとするリクオに「帰ってきたらお前が三代目じゃ」と言っているのが大きいですね。

しかしまぁ、一番気になるのは羽衣狐さまですよ。「鵺」とはリクオが戦うとして、他に羽衣狐さまを相手にできる戦力はいませんし(ゆらちゃん?)、そうなると総力戦になるのかしら?そんなことより問題は、いま羽衣狐さまが思いっっっきり全裸だってことなんですがね!