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ミルキィホームズにとってトイズとは?

世間に遅れて『鋼の錬金術師』を読み終えたのですが、めちゃくちゃ面白いですねこれ(うわー今更)。今更ながら広い世界をよく描き切りまとめたものだと感心しています。
さて、最終巻でエドは「真理」を前に「錬金術がなくてもみんながいるさ」と言い放ちます。これが最終的に至ったエドの結論です。「強大な能力とどう向き合うか?」は昔からあるテーマですが、たいていは「力とは目的ではなく手段である」というところに着地します。そして主人公は力を必要としない生活(=日常)に戻るのです。


ところで『探偵オペラ ミルキィホームズ』でもトイズと呼ばれる能力を失います。というか、最終的に失うのではなく失うところから始まります。

ここでシャロが既にエドの至った結論に行き着いているのが面白いです(4話の「トイズがなくてもみんながいるんだよ」など)。

ミルキィホームズにとってトイズは「なければなくても別にかまわないもの」です。これは第1話で幸せな生活を送っていることからも分かります。ではなぜ今トイズを取り戻そうとしているか?それは生徒会長と「トイズが復活しなければ退学にする」という約束をしたからです。つまり変な話、彼女らは退学にされないためにがんばっているのです。

きれいなまとめ方をするなら、ミルキィホームズにとってトイズとはただの「みんなと居るための手段」です。探偵としてチームとしてのミルキィホームズの前提となっているのがトイズ。彼女らは(少なくともシャロは)みんなと一緒にいるためにトイズを取り戻そうとしているのです。怪盗とかどうでもいい。

それにしても「力とは目的ではなく手段である」という結論にはじめから行き着いているのは物語として面白い。もちろんゲーム版の続きという世界観のせいでしょうが。チームで能力を培ったミルキィホームズは同時に仲間の大切さも学び、トイズがなくなった程度のことには微動だにしない。

アニメ10話は珍しくシリアス回となりましたが、起承転結でいうと「転」の回ですね。9話が「承」、「起」が1話なので、その間7話はまるまる遊んでいたたことになります。ここにきての帳尻合わせで、あと3話どうするか楽しみです。

アニメ版の物語を主導しているのは探偵・怪盗の構図に固執しているアンリエット生徒会長です。このことからも予想できますが、ここで書いたような流れで見ると、やはりアニメはアンリエット生徒会長(=アルセーヌ様)の物語として締める線が強いと思います。ミルキィホームズは何も変わってませんから。