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動体としての黒髪ロング

  • 研究の動機

Togetterまとめ - 黒髪ロングの魅力を考えるではあまりふれられなかった髪の動きについて考えたいと思っていたこと。その際学会でも高く評価されたポニーテールの動きに関する中村氏の研究(ポニーテールはなぜ揺れる?- 振り子のふれ方の研究)が参考になると考えました。

  • 研究の目的

ビジュアルのみが語られがちな黒髪ロングにおいて動体という視点をもつことで、黒髪ロングの理想的な長さという永遠課題に対するアプローチを行います。

  • 研究の方法

中村氏の先行研究からポニーテールとストレートロングヘアの違いに注意し、その動きについて考察します。
氏が実験に使用した「ポニーテール共振器」はあくまで髪ではなく、その動きは実際のポニーテールとは異なるはずです。そのためこのポニーテール実験の結果をその通り正しいものとして黒髪ロングストレートに適用することで実際とのズレが生じる危険があります。その点にも注意し、あくまで仮説であることを念頭におき考察します。

    • 実験1:糸(ポニーテール)の長さはどのくらいが一番よく揺れるのか? より

《考察》
振り子が一番よく揺れるには、長すぎても、短すぎても、歩き方が速くてもダメだ。60㎝の振り子は、ゆっくり歩くリズムが一番合った振動だった。15㎝、30㎝の振り子はともによく揺れ、往復回数では0.6〜1回の差があるが、ふれ幅では常に30㎝の方が大きい。どんな長さの振り子でも、そのものに合った振動を与えれば大変よく揺れる。ポニーテールの場合は、人が歩く速さの範囲(「ゆっくり」から「早足」まで)で常によく揺れる、長さ30㎝が一番よい。

さて、"ポニーテールの場合は、人が歩く速さの範囲(「ゆっくり」から「早足」まで)で常によく揺れる、長さ30㎝が一番よい。"とあるが、では30㎝とはどの程度の長さなのでしょうか?頭の大きさ、首の長さ等により個人差はあるでしょうが、私の場合はちょうど肩のあたりでした。これは「黒髪ロング」の中でもかなり短い部類(人によっては対象外となるかもしれません)、セミロングとも呼ばれる長さでしょう。始めに述べたようにこの実験から最も動きの大きい髪の長さがセミロングと断定することはいささか乱暴かもしれません。しかし実感としてもこの長さの髪の動きが大きいことは納得できるところではあります。「振れ幅に関してはセミロングが相対的に大きい」ということで問題ないと思います。
注意点としては振れ幅と往復回数の大きい、つまりはよく動くほど魅力的な黒髪とは限らないことです。それこそ各人の好みの問題ではありますが、例えばよく揺れる小さな胸と少し揺れる大きな胸のどちらの方が魅力的かという問いには、意見の分かれるところでしょう。視野を縦方向に大きく占める長い黒髪は動きが小さくてもその動きが目立ちます。そのため短いそれより(動体としてという条件の下でも)魅力的ではないとは言えないでしょう。また実際の黒髪ロングは(ここはポニーテールとの違いかもしれません)身体に密着していることから、身体が動くとき直の振動があり、そのため共振器にはないだろう動きがあります。特に腰までの長さ(これはおそらく実験で使用した振り子で最も長い60㎝よりも長い)になると足の動きを近くで受けるため、それより短い長さにはない動きが見られると考えられます。

このようにどの長さのロングヘアが最も魅力的であるか正解はひとつ!じゃない!!ですが、振れ幅という点ではセミロングという解答が相対的に正しいと考えられます。
また"どんな長さの振り子でも、そのものに合った振動を与えれば大変よく揺れる。"という氏の考察が興味深いです。ぜひ全国の黒髪ロング女子にも自身の髪の長さに合った振動の動きを試してもらいたく思います。

    • 実験2:おもりは重い方が揺れるか、軽い方が揺れるか? より

《考察》
おもりは重くても軽くても、揺れ方は同じだった。ポニーテールが揺れる条件に、髪の量や重さは関係がない。

ここから髪の量や重さ、つまりボリュームは動きに影響しないと判断し、そのため動体としての黒髪ロングを考えるにあたっては長さだけを問題とします。

    • 実験3:振り子が1往復する時間を調べる より

《考察》
振り子の往復時間を決めるのは「長さ」だけだ。振り子の長さが同じであれば、ふれ幅やおもりの重さが変わっても1往復する時間は変わらない。この性質を「振り子の等時性」という。ポニーテールがリズミカルに揺れる条件は長さ30㎝・周期は1.07秒/1往復で、重さは関係ない。

実験2に同じ。

    • 実験4より

《考察》
ポニーテールが左右にリズミカルに揺れた時に共通しているのは「歩く」という動作だ。歩くリズムとポニーテールの揺れるリズムが同じになって、「共振」しているのではないか。

実験した動作の種類は多くありませんが、それでも日常生活において最もよく見る動作である「歩く」が他と比べて髪の動きを大きくする結果は興味深いです。

また"意外にも走るスピードが速くなっても、揺れ方は変わらなかった。"という結果から歩く速度は髪の動きに大きな影響を与えないと考えられます。

これとは別に黒髪ロングが地球温暖化防止に寄与していることはsi-noさんの「黒髪ロング女子が地球を守っている」仮説(黒髪ロング企画) - マボロシプロダクトを参照。

    • 全体の考察と感想 より

 振り子と体の動きをよく観察すると、振り子リズムのポイントは「足のウラ」でした。右足が地面に着く時、わずかに右肩が下がり、振り子も右側に最大にふれます。反対に左足が着地した時は、自然と左肩が下がり、振り子も左側に最大にふれます。歩くという運動は、このような動きのくり返しです。共振器をかぶって歩けば、自分の姿勢・歩くリズム・体のバランスなどが分かるかもしれません。共振器は環境問題だけでなく、健康チェックにも役立ちそうです。

ロングヘアを保つことは環境問題だけでなく、健康チェックにも役立ちそうです。

  • 全体の考察

氏の実験考察から、黒髪ロングがよく揺れる長さは肩より下のセミロング(30cm)であること、よく揺れる動作は歩くことという二つの仮説を得ました。しかし実際のロングヘアの動きが魅力的に見えるのは、髪の「振れ幅」だけではなく動く面積あるいは体積も大きく関係していると考えられます。このような動体としての視点を踏まえた上で黒髪ロングの理想的な長さを考えるべきだと思います。
また実際の髪が直に背にふれていることを考慮すると補足点もあります。例えば振り返る動作では上半身の動きが大きいため、セミロングと比べても背まで(あるいは腰まで)の長さの髪がよく動くと考えられます。振り返る動作は「見返り美人」という代表的な構図もあることから、主に破壊力の点で動体としての黒髪ロングを考えるにあたって重要になると思います。
もう一つ、髪をかき上げる仕草も黒髪ロングの魅力的な動きであり、特徴でもあります。この動作は逆に耳のあたりで髪をはらうことを考えると長すぎては動きに乏しくなるように、個人的には感じます。
以上の点を踏まえ総合的に考えた結果、動体としての黒髪ロングの理想的な長さは「背まで」(「肩より下」以上、「腰まで」未満)つまり『羊のうた』の高城千砂さんという結論に着地しましょう。異論はあるかもしれません。

  • 感想

身長等によって同じ髪の長さでも印象は変わることを書き忘れていたのでここに補足します。この手の記事は本当なら歩く女性を後ろから撮った動画があれば分かりやすかったのでしょうが、動画の検索が難しいと判断したためあきらめました。どうぞ皆さんの目で実際に確かめて見てください。

あと参考記事のブックマークコメント(一年前)を確認したらコンビニ店長nakamurabashiさんに"「黒髪ロング」のタグつけた人、業深くないですか……?"と言われてるんだけどどういうことなの……?