『探偵オペラ ミルキィホームズSS』 明智小衣の選択

 今年最もすばらしかったアニメこと『探偵オペラ ミルキィホームズ サマー・スペシャル』BDが手元に届いてすばらしいということで早速観ているのですがいやはやすばらしいねこれ。
 世の中にはこんなにもすばらしいミルキィホームズの端々のネタだけを取り出してギャグアニメとしか観ていない人もすばらしくないことに多いかと聞きますが、ミルキィホームズの観方はひとつ!じゃない!!……つーことでまともにストーリーラインを追ってもミルキィホームズはめちゃくちゃすばらしいんだぜ、というお話をば。

 『探偵オペラ ミルキィホームズ サマー・スペシャル』で明らかにされたのは小衣ちゃんが美少女だったこと、もとい小衣ちゃんにアイドルとしての才能があったことです。
 誤解を恐れずに言えば小衣ちゃんは警察においてその資質・能力が活かされることがほとんどありませんでした。サマー・スペシャルではひょんなことから彼女はアイドルの道を歩み始め、一気に超人気アイドルの座へと駆け上がります。それを誰もが喜びました。そう、小衣ちゃんにはアイドルの才能があったのです――。
 11話を思い出してみてください。ミルキィホームズは探偵としてしか生きられませんでした。他に何の才能もなくトイズも失い、なお探偵を目指す。ミルキィホームズの四人はそうでした。しかし小衣ちゃんは違います。小衣ちゃんにとってはアイドルが天職で、それは誰もが望む道でした。
 それでも小衣ちゃんはアイドルの道を突っぱねます。その理由は小衣ちゃんにとって警察が本当にやりたいことであり、本当にやりたいことをやるのを大切な人が望んでいるからです。
 シャロは小衣ちゃんが遠くへ行くことで寂しく思います。それを夢に向かって進むという、自分も小衣ちゃんも同じと気付いたことで納得し、小衣ちゃんのためアルセーヌに立ち向かいます。
 もちろんシャロの行動はただの勘違いです。それを視聴者は分かっています。勘違いですが、シャロの気持ちは間違っているはずがありません。
 小衣ちゃんの苦悩もシャロの勘違いも全て気付いたアンリエットは芝居を打ちます。「トイズは大いなる試練によって蘇る」ミルキィホームズと同じ。アンリエットによる大いなる茶番は小衣ちゃんに選択を強います。アイドルか?警察か?視聴者以外で唯一人この世界を全て見通したアンリエットの保護者のような神様のような目線はシャロにも小衣ちゃんにも優しいです。
 結局、小衣ちゃんが警察に戻っても全く活躍はしません。そして、「だからこそ」彼女の選択には価値があるのです。


 しかしこの一連の流れを歌パートまで入れて30分弱。映画一本くらいは詰め込まれてるだろ………。というかストーリーも含めて視聴後感がまるで映画だったのでこれを劇場で観たい欲求はけっこうあって。そんでミルキィホームズ劇場版はこれよりすごいの作らないと、とハードル上げてしまったんじゃないですかね?(映画やることは前提)