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このマンガがすごい!だけじゃない!!2011

 ちょっと早いですが更新が滞っているのもよろしくないので今年のベスト漫画を、新刊(今年一巻が出た漫画)に限り。

この彼女はフィクションです。(1) (少年マガジンコミックス)

この彼女はフィクションです。(1) (少年マガジンコミックス)

 古さと新しさを混ぜて時代の文脈に乗っけたラブコメディの傑作『この彼女はフィクションです。』の登場はまさに「これが21世紀の正統派ラブコメだ!」と言わんばかりだ。というか言おう。これが21世紀の正統派ラブコメだ!
 ブヒるやら何やら騒動を眺めているとなんだかキャラクター時代もずいぶん遠くへ来てしまったなぁと感じてしまいますが、そんな中で妄想彼女が現実化するというインパクト強い始まり方をした『この彼女はフィクションです。』がその実とても丁寧なラブコメで毎週の楽しみとなっていました。
 三角関係や作品の閉じ方といった、ちょっと一家言あるところでも非常に満足している一作で、これこそが少年誌ラブコメのあるべき一つの形と思っております。

    『神のみぞ知るセカイ』と『この彼女はフィクションです。』 - 水星さん家
    『この彼女はフィクションです。』最終話「この彼女はフィクションです。」 - 水星さん家
    『この彼女はフィクションです。』2巻:フーコ先輩への視点の”折り返し” - 水星さん家
    『この彼女はフィクションです。』 フーコ先輩の「なーんて☆ねっ!」がめちゃくちゃかわいいというだけの話 - 水星さん家

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス)

そんな未来はウソである(1) (KCデラックス)

 タイトル並べたかっただけじゃないんだぜ。
 普段から「やってみなくても結果は分かり切っている」と何かを諦めているぼくもミツキのようにちょっと未来が見えているのかもしれないなーと思ったのはアカネの「私は楽しい未来が来るまで黙って待つタイプじゃない。それを上回る楽しい未来は自力で作るものでしょ?」というセリフに出会ったときだった。
 1巻時点では決まったゴールから離れて延々すれ違いする話かと思われた『そんな未来はウソである』の2巻に入ってのストーリー展開はそういうことなのかもしれないが、それを桜場コハル世界とこの設定でやられるとなんだか他にない不思議な魅力が出てくる。ただ、2人の超能力をダメな方向に活かしたすれ違いギャグが好きだったのでそれが少なくなってきたのはちょい残念ポイント。

  • 3位 『常住戦陣!! ムシブギョー』

常住戦陣!! ムシブギョー 1 (少年サンデーコミックス)

常住戦陣!! ムシブギョー 1 (少年サンデーコミックス)

 育てサンデーっ子の想いを込めて、今年後半一気に調子を上げて来たサンデーからは堂々の少年漫画・ムシブギョーを。
 少年の純粋な想いは自分でも気付かぬ内に世界を回してしまう力がある。それは超人的な能力や特異な才能があるからとか、そんなものじゃないんだ……と、いうことを思い出させてくれた漫画。ぼくはもう回される側になってしまったけれど、だからこそその大切さが分かるんだ。
 目をキラキラさせる仁兵衛に「現実はもっと厳しい」と石を投げる趣味は全く無く、ただただこの仁兵衛のナチュラルいい子パワーがどこまで届くのかが楽しみであります。「なぜかモテてる鈍感主人公」ではなく仁兵衛のひたむきな想いが知らず世界を変えているというのが気持ちいいです。

  • 4位 『25時のバカンス』

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

 前作よりもさらに洗練されて異なるものとの出会いを描き続けます市川春子。この人の描く線は本当に好みです。じっくり、何度も読みたいなぁと。海・宇宙・月と広い世界を舞台として画面も広々と前作よりも「合っている」と感じました。難解さが増し人を選ぶという評も見ましたが、根本の流れさえ掴めばそれを付け足すように能動的な読みを誘う漫画という印象を受けております。それに全部分からなくてもいいと思いますし。
 今年の短編集は九井諒子鈴木健也売野機子などなど他にもすごい漫画が多くありました。特に『同窓生代行』は気に入って感想書いてます。『25時のバカンス』もその内あげたいな。

  • 5位 『想いの欠片』

想いの欠片 1

想いの欠片 1

 竹宮ジン先生の新作長編『想いの欠片』は性的マイノリティばかりが登場する不思議な百合漫画。甘々な話を期待すると痛い目にあうきっつい展開の連続にも、未来視点の彼女らがとても平和そうに暮らしているのを見ると、色々なものを抱えて人は生きているのだなぁと感じてしまいます。
 ハードボイルドなミカの話から純粋美少女のマユ側にターニングポイントを迎えて全体像が見え始めた『想いの欠片』。ミカが「落としていく」話がこれまでとするなら、7話以降はミカが落とされて行くことになるでしょう。「でもどうやって?×2」という視点でこれからも楽しみ。

  • 総評

 きっと精神状態やら何やらの影響で爽やかな印象のリストになったようで気に入ってます。あとは『よいこの黙示録』が続いていれば……。これの一話見て全作揃えたんですが。
 既刊もベスト5作ろうとしたんですが、メジャー作と前から推してるのとが多いのであえて更新するまでもないかなぁと。また気まぐれにやるかも知れませんが、とりあえず今年は『獣の奏者』推しで。

 年内の更新予定はよく分かりませんがさすがにまだやるんじゃないかな?そういえば既刊については冬コミ本の方でも書いてるんでよろしくね!(宣伝)

 C81 「くろろん!」出します - 水星さん家