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『ジョジョリオン』はジョジョ集大成的作品になるか?

 間違いなく今年話題の新作漫画の1つには挙げられるであろう『ジョジョリオン』。待望の1巻発売です。完全ウルジャン移行したのに単行本はこのサイズなんですね。

ジョジョリオン 1 (ジャンプコミックス)

ジョジョリオン 1 (ジャンプコミックス)

 1巻のコメントにはこの8部『ジョジョリオン』は4部世界とは全くリンクしていないと書かれています。しかしシリーズ読者ならすぐに分かるよう『ジョジョリオン』には既にいくつか過去作のキーワードが出て来ています。

 元々第7部『SBR』は『ジョジョの奇妙な冒険』第7部として始まったわけではなく、遡及的にそうなった経緯があります。それが今回は始めから8部を打ち出し、7部終了から間を開けず連載。『ジョジョリオン』というタイトルからも荒木先生のジョジョへの意気込みが込められています。度々出て来るキーワードはファンサービスであり、『ジョジョ』再構成でもあるのではないか。2012年ジョジョ25周年に。

 そういうわけでこの『ジョジョリオン』はジョジョ集大成的な作品になるのではないかと思っています。

 でー実際のとこどうなのかと言えば、まだ分かりませんとしか。杜王町という小さな舞台ではあるが、エピソードの積み重ねで会った4部よりも大きなストーリーを予感させる「これは「呪い」を解く物語」。また主人公が記憶喪失であるばかりか色々謎ということからも、以前のジョジョとは違うものを感じます。ご存じの通りジョジョは血統が重要ですが、『ジョジョリオン』は主人公が記憶喪失ということで当然まだ血統が見えません。主人公が記憶喪失って一見ありふれた設定ですが、ジョジョだとそういう特別な意味が生まれます。

 が、1巻後半からは主人公が何者か分からない内に何者か分からない敵の襲撃を受けるという展開に入っており、どうも全体像が見えない状態です。よって今のところ断言しかねるわけで、期待しているとか予想しているとしか言えないのですが、とにかくぼくはこの『ジョジョリオン』がジョジョ荒木飛呂彦の集大成的な作品になるのではないかと思っています。荒木先生があまり先のこと考えず描くタイプらしいので、本当にどうなるか分からないのだけれど。

 しかしこう、訳が分からない内に展開が進んで戦い出すと他の漫画ではたいていマイナスポイント取られるのに、それが既にしっかり面白いあたりやはりすごい。この戦闘場所とこの敵の位置での戦い、敵の能力どころか主人公の能力もよく分かっていない状況が楽しめるものになっています。

 あとこれ一応震災後の世界でもあります。「『杜王町』も3月11日の大震災では大きく傷ついた」とあって具体的な被害状況もしっかり書かれています。「3月11日の」という言い方から舞台が2011年であること。また登場人物の服装から舞台は震災の半年以内と判断できます。

 しかしそこで暮らす人々からは全く震災の影響を見てとれません。これだけタイムリーに震災後の東北を舞台にしたのに特段そういう空気を感じさせない、つまりそこは重要じゃないというのはなかなか、やってくれたなと他の震災以後作品を振り返って思います。もちろん逆に不自然ではありますが、まぁ一人の目から見たらこんなもんかなとリアルS市民として。