「このマンガが凄かった! 2012」参加

 今回は先日の「このマンガが凄そう! 2012」の完結作品編「このマンガが凄かった! 2012」参加記事ということで、今年完結巻が発売された漫画から5作品を選びます。せっかくなので今年より前から続いている長編作を優先させようと思ったらなぜか少年誌に固まりましたが年内にあげたかったのでそのまま決行。

オクターヴ(6) <完> (アフタヌーンKC)

オクターヴ(6) <完> (アフタヌーンKC)

 二次元的にも三次元的にもアイドルが盛り上がった今年、売れなかったアイドルのその後を描く『オクターヴ』は「裏面」としてさらに重要な位置に来たような気がする。例えば『三月のライオン』や『銀の匙』のような、道を失った主人公が手探りで新たな道を拓き歩み始める話が人気を呼んでいるが、そういった文脈からもすばらしい一作で、自分の道を進む険しさ、しかし大切さを強く感じさせる。しっとりとした単行本カバーの質感と作品の空気、柔らかな線の描き方が合っているのも好き。

この彼女はフィクションです。(4) <完> (少年マガジンコミックス)

この彼女はフィクションです。(4) <完> (少年マガジンコミックス)

  古さと新しさを折り混ぜて時代の文脈に乗っけたラブコメディの傑作『この彼女はフィクションです。』の登場はまさに「これが21世紀の正統派ラブコメだ!」と言わんばかりだ。というか言おう。これが21世紀の正統派ラブコメだ!(なーんて☆ねっ!)

結界師 35 (少年サンデーコミックス)

結界師 35 (少年サンデーコミックス)

 長く低調のサンデーを支えてくれていた『結界師』もついに完結。劇的に何かが変えられるのではなくゆっくりと変わってゆく漫画なだけに、不意に訪れる事件の衝撃が強く印象的でした(志々尾や守美子など)。初期はシンプルな能力を駆使しての戦いが、キャラクターが増えてからの後期は一つの場の戦いを囲む様々な人物の思惑が交差したドラマが面白みを増しました。

ケルベロス 10 (少年チャンピオン・コミックス)

ケルベロス 10 (少年チャンピオン・コミックス)

 『ムシブギョー』アナザーサイド。想いに力が届かぬ無力な少年を襲うエグい世界の中、毎回毎回女の子が悲惨な目にあう。それを小さな主人公が体を張って守りに行く姿は、バトル漫画でも頭脳戦が流行る昨今懐かしい少年漫画。日常パートやおまけ漫画に出て来るやつらが普段とは別もののようにかわいいのは、きっと身内にだけは気を許している表れ。

  • 5位 『25時のバカンス』

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

25時のバカンス 市川春子作品集(2) (アフタヌーンKC)

 コンセプト的に長編を推すのがよいと思ったのですがやはり短編が面白い年だったので代表してこれを。漫画で短編なら読み返しやすいですしちょっとよく分かりませんくらいの方がいいですねと前置きまして。異なるものとの出会いを描くのは変わらないものの、前作のような比較的入り込みやすい人物や舞台から離れたことで作品がより広く自由になったと感じさせます。