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蟲奉行様と羽衣狐様と

 先週の『常住戦陣!! ムシブギョー』において羽衣狐様フォロワーとして頭角を現した蟲奉行様ですが、今週の週刊少年サンデーはその戦う御姿が見られるという髪回でした。羽衣狐様が拓いた道を、蟲奉行様が進む……。今週のムシブギョーが我々の記憶に残ることは当然として、記録にも残す必要があるでしょう。ということで蟲奉行様と羽衣狐様を比べて見ていきます。

  • 蟲奉行様と羽衣狐様


 蟲奉行様の黒揚羽モード。真っ黒は真っ黒ですが、注意深く見ると輪郭と「切れ目」はちゃんと分かります(服の柄も特徴的)。そしてそれが不自然に分かりやす過ぎないというギリギリのバランスを保って描かれています。ふつう美少女系の絵は瞳をめちゃくちゃ描き込むわけですが、ハイライトなし真っ黒キャラクターの場合はそれができないぶん睫毛がキーになります。そこ蟲奉行様は羽衣狐様よりはっきり描いていますね。ただ、デザイン的に仕方ない(というかがんばっているのは分かる)のですが、髪が目立たないのが本当に惜しい。



 一方、羽衣狐様はこの蟲奉行様と比べても完璧に真っ黒です。衣服のしわや折り目もほとんど出ない、不自然なくらい真っ黒なのがその存在を浮かせているのです。あと狐なんで尻尾出します。戦闘では流石に擬音が入りましたが、その登場コマにあまり擬音が入らないことも特徴。有名な登場シーンでは1話の途中に持ってきたことで擬音はもちろんあらゆる音を排し、それにより静謐な空気を出すことに成功しています(※1話の最終ページであれば編集による文字が入ってしまうため)。ハイライトなし真っ黒キャラクターの異様な存在感を最大限活かした形と言えるでしょう。


 真っ黒キャラクターである御二人に共通するのは黒髪ロングストレートはもちろんのこと、格が高い・実力的にも強い・古風な言葉遣い・超上から目線など。
 羽衣狐様も蟲奉行様も位の高さは言うに及ばず、戦闘においては他を圧倒しています。正確には二人の言葉遣いは違っていて、蟲奉行様の「………なんだ?」は羽衣狐様なら「………なんじゃ?」になるのですが、共に古風な言葉遣い、そして一人称が「妾」なことに注目です。そして態度によっては気品や礼儀正しさを意味するこの言葉遣いで、両者とも超上から目線。自分たちを倒しに来た妖怪らを前に「わざわざ祝福しに来てくれてご苦労」と演説した羽衣狐様もすごいですが、蟲奉行様の「貴様らの五分にも満たぬその魂…妾が塵芥に潰してくれよう」もすごい。それを支えるのが圧倒的な戦闘能力であり格であり、ここに挙げた要素が全て繋がっているわけです。また羽衣狐様ならやや子に対して、蟲奉行様は仁兵衛に対して優しい面を見せているからこそこの超上から目線も対照的により効果的に感じます。

  • 蟲奉行様、今後の動向は?

 羽衣狐様はコアなファンに熱狂的な人気でしたが意外に(本当に意外だよ)広がりは持たなかったように思います。その点では蟲奉行様に上の可能性を感じます。羽衣狐様をより広く人気の出る形にしたのが蟲奉行様だと。
 蟲奉行様は仁兵衛に対する優しさから超上から目線を経た後に「この女、堕ちたッ…!」みたいになりそうな展開もあって、ジャンプ(羽衣狐様)とサンデーという力の差にも関わらず意外と盛り上がっているのをすでに目にしています。もともと白奉行様からのモードチェンジで常に黒いわけではありませんし、福田宏先生の絵だと所々可愛らしく見えることが広い人気に繋がるのかもなーと。作品自体新人ではいい位置につけていますし今後のメディア展開はまだ先の話でしょうが、既刊4巻という今からでも楽に追えるタイミングでこの展開に入ったのが大きいです。
 ところでムシブギョーのタイトル末尾のマークって蟲奉行様のことでしょうね。とするとメインヒロイン、少なくとも退場はないんじゃないかという安心感があります。ぬらり新刊も羽衣狐様の再登場待たれる!