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『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』第8話をみて

「わたしたちは立場が違うけど」
「ああ、お互いがんばろうぜ」
「それぞれの未来へ」
探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕 第8話「愛おしいよね」)


 現時点で2期のどの話が好きかと問われれば、6話もしくはこの8話を選ぶだろう。1期11話と対応した重要な回だった。2期テイストで過剰にギャグ・パロディを散らしてはいるが、1期10話からのシリアス展開が全体で浮いていたことを思えば、今回が真にミルキィホームズ的な1期11話とも言える。
 が、やっていることは真逆だ。怪盗アルセーヌの挑戦という一つの事件にヨコハマのみなが集まっていく1期11話とは逆に、この2期8話は怪盗アルセーヌの退場からみながばらばらになる。それは決して悪いように描かれてはおらず、「一つの出来事から端を発しそれぞれがそれぞれに影響を受け、それぞれの道へ分かれる」というのを、ミルキィホームズ的に成り立たせている。

 怪盗アルセーヌにして生徒会長アンリエットの退場は、それぞれに異なる影響を与える。怪盗アルセーヌのヨコハマ離脱を怪盗帝国は悲しんで現実逃避し、G4は喜び、小衣ちゃんは喜びまくる。アンリエット会長の不在とそれによるホームズ探偵学院の廃校を、転校先の決まった生徒たちは「イギリス行ってみたかったんだ」「わたしアメリカ。楽しみ」と喜び、行き先の決まらないミルキィホームズはやはり(?)現実逃避する。

 1期では1話から「トイズを取り戻さないと退学」、11話では「囚われた私(=会長)を助けに来い」と探偵への道を会長にリードされてきたミルキィホームズだが、この2期8話では会長から受け取った真っ白な手紙に自分で目標を書き出す。はじめに1期11話と対応していると言ったのはミルキィホームズのベクトルが定まったという意味だったが、なんだかんだで会長に頼ってばかりいたミルキィホームズはここにきてついに自らの足で歩み始める。

 そこに至るきっかけに石流のような暑苦しいやつの助けがあったわけで、ミルキィホームズにリードできるだけの人材がない以上、やはり奴は必要だったんだろう(前半で怪盗帝国が池に落ちるなどミルキィホームズと状況を一致させていたのも、おそらく両者を一緒に解決させるため)。なにせミルキィホームズには核がない。「立派な探偵になる」という目標も誰かに(今回は石流に)与えられたもので、だからあっちは11話、こっちは8話なんだろう。まぁ、本当は核に小林先生の想いの継承があっていいはずなんだが。

 ところで小林先生と言えば小林立先生の『咲-Saki-』であり、次回予告に麻雀牌も出てきたので来週は「近代麻雀漫画生活」いのけんさんのレビューを期待。