読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

『探偵オペラ ミルキィホームズ 第2幕』第10話をみて

 アニメ『探偵オペラミルキィホームズ』におけるリード役、あるいは視点キャラクターは二人いて、一人はアンリエット会長。もう一人は小衣ちゃん。この二人が主導しない場合、ゲストキャラクターによって線が引かれることが多い。今回はラード・リード。
 ヨコハマの平和を守るべきミルキィホームズが、しばしば住民にとって傍迷惑な存在であることはこれまで、特に二期においては露骨に映し出されてきた。今回のラードは明らかにミルキィホームズの被害者であり、その不満が爆発したものにミルキィホームズが立ち向かうのは、ある意味自然な展開と言えるだろう。普通の話ならば見えないだろう犠牲者を可視化し、それも話に取り込むのがミルキィホームズである。
 そしてダメダメのトイズ。これはプライドを消すものと解釈している。ダメダメというだけなら他にも効かなそうな人はたくさんいるが、はっきり自分たちをダメダメと言えるほどにプライドのない者はミルキィホームズしかいなかった。そしてダメダメのトイズに支配された、プライドのなくなった者の発言は本音・弱音であると、そう考えている。平乃さんのゴスロリ検定も。
 ここで我らが小衣ちゃんに注目すると、シャロに対し「小衣ちゃんて呼んでいいよ」と百合的においしい声が聴けることも見過ごせないものの、一度は垓まで至ったIQが模糊の域に落ちていることが重要なファクターである。小衣ちゃんはセルフイメージを高く持ってそれを実現していくヒーローでもなければ、身の丈に合わない高いイメージを持ち続けられるバカでもない。彼女のIQが上がり続けているのは常に届かない何かに手を伸ばしているからで、それはセルフイメージを高く持つ試みの段階である。それは同じクズでもミルキィホームズにはないプライドであり、出るたび上昇するIQは言わば彼女の戦いの軌跡である。そんな彼女の小衣の声を聴けたことが俺は悲しくも愛おしい。

 あとアンリエット会長も手を焼いた予測不能なミルキィホームズを自分の意図する方向へ導いたという点で森アーティはすげーと思う。