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『ホワイトアルバム2』は黒ロンゲー!

 黒髪ロングのいるところ。人里離れた田舎の夏、閉鎖的な村の名家、……etc.etc.



 黒ロンはえてして社会から隔絶された存在である。昔話には美しい黒髪の女は妖として現れる。巫女は神との交信を担っており、二つの世界の境に居る。人の世から離れていようというあり方もまた黒ロン的である。

 例えば『羊のうた』では高城千砂さんは「社会に出る」のを拒み続ける。高校を「社会に出る」などと大げさかもしれないが、一族の奇病を原因として千砂さんは早くから人の社会に見切りをつける。クラスメイトを蔑視もするが、次第に自分がならなかったものに対する羨望も見せるようになる。


 『ホワイトアルバム2』において冬馬かずささんも社会に出るのを拒んでいる。学校制度にも人にも関わろうとせず、いつも一人でいる。高校三年の秋、主人公である北原春希は彼女を「社会」に誘う。はたして冬馬かずさは己の黒髪ロング的存在を護れるのか?……というのが『ホワイトアルバム2』の黒ロン視点のストーリーである。

 『ホワイトアルバム2』という話は序章=高校、終章=大学を舞台にして、現代日本的ステップを踏んでキャラクターは「ちゃんと」社会へと出ていく。対して、全くそのそぶりを見せないのが冬馬かずささんだ。

 圧倒的な音楽の才能と裕福な家庭の財力、それに過保護なパトロンの存在はギリギリのラインでそれを許していた。が、そのバランスはまま傾き、ついに崩れ始める。そのとき彼女は選択を迫られる。

 マルチエンディングのゲームであるから、その選択をするのは彼女であるよりむしろ恋愛対象である主人公であったりする。するがとにかく結果として。何かを貫き通すか、あるいは何かを広げることで、彼女は黒ロンであることを維持する。だからEDに至りそこにいるのは別のEDとは違う黒ロンである。あなたは幾人もの黒ロンとこのゲームで出会うことになる。しかしどれも黒ロンである。そう、本当に大事なネタバレをしてしまうが、マルチエンディングではあってもこのゲームに断髪はない。


 と、いうことで今年の夏コミは奇跡の黒ロンゲーこと『ホワイトアルバム2』本に参加しております。

  【お知らせ】夏コミのゴルカムは「ホワイトアルバム2」本です!:ヤマカム


 他の参加者はブログを書き始める前から知っていたようなブロガー諸氏ばかりで肩身が狭く至極恐縮であります。冬には全年齢版も出るという噂で未プレイ者もとりあえず買っておいてプレイ後にじっくり読むことをおすすめしたい質量はきっと。本は既プレイ者向けにネタバレオープンで書いているため、未プレイ者へすすめる切り口として黒ロンゲーとしてここにおすすめします。


 また毎年9月6日は黒髪ロングの日ということでイベントを行っているのでこちらもよろしくお願いします(こちらは個人的なもの)。

  【募集】黒髪ロング祭2012を開催します! - 水星さん家