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『ママレード・ボーイ little』……これは『ミントな僕ら』を始めるしかないね!

 Cocohana吉住渉ママレード・ボーイ』の13年後を描く続編『ママレード・ボーイ little』が始まりました。

ママレード・ボーイ little「吉住 渉」


 『ママレード・ボーイ』といえば主人公・小石川光希の両親が別の夫婦とパートナーを交換しその息子(松浦遊)も含め6人の共同生活が始まるという吉住渉の代表作。突飛な設定を重くもっていかない、それも軽く内包してしまう世界はさすが吉住渉です。

 『ママレード・ボーイ little』は前作から13年後、再婚した両親の間にそれぞれ生まれた(光希と遊の妹・弟に当たる)松浦立夏と小石川朔が主役です。

 吉住渉の描く女子といえばなんといっても恋から発する行動力が特徴ですが、一目ぼれした男子を追って全寮制の高校へ転入したり(『ミントな僕ら』)沖縄から東京へ飛んだり(『ちとせetc.』)、一目ぼれみたいな一見危うく思える気持ちにも迷わず行動するところが読んでいて気持ちよく、作者の強い信頼が感じられます。

 そうした先人にはまだ及ばずながら、立夏も雨の日に傘を貸してくれた男子の名前が判らず、翌朝早く出て校門の前でずっと待つというアグレッシブな面を早速見せています。ここでその男子が「名村碧」という名であることが分かりますが、名村ということは茗子の子どもでしょうか。雰囲気もそれっぽく見えます。

 そこで恋の予感がする、いつもと違う立夏を見る朔の目が真剣です。

 これから名村が転校して立夏もそれを追いかける展開になればまさに『ミントな僕ら』なわけですが、実際血のつながりはないけど同じ家で育った姉弟みたいなもんという設定は『ママレード・ボーイ』よりむしろ『ミントな僕ら』に近い気がします。『ママレード・ボーイ』は高校の話だったので、中学生の設定はむしろ『ミントな僕ら』の初々しさを想わせ、また女子の方が早く恋が始まったことによるドラマが中学生っぽい。『ママレード・ボーイ』も銀太と光希の過去がそんな感じでした。

 『ママレード・ボーイ』が共同生活のうちに徐々に遊という人が見え、そこに光希が惹かれていくという流れであったのに対し『ママレード・ボーイ little』では朔とは昔から同居生活をしており、名村とは出会ったばかり。どちらに向かっても『ママレード・ボーイ』とは違った感じになりそうです。また気が強くパワフルな光希と比べて、幼くかわいい系の印象の強い立夏は『ミントな僕ら』のまりあとも違い、前作『ちとせetc.』のちとせを想わせます。

 といった点から第1話から楽しみで仕方ない『ママレード・ボーイ little』。特にうれしいのは続編として前作ファンに向いた漫画ではなく、前作と同じように少女漫画として描いてある点。Cocohanaは比較的ターゲット年齢が高めの女性誌で主人公もOLといった話が多いので、その中で吉住渉の少女漫画を読むのは新鮮であり、それをリアルタイムで追うというのが懐かしい体験でもあります。

 まあ私の原体験は『ママレード・ボーイ』ではなく『ミントな僕ら』であったので、立夏メインの話になるよりは朔にも(女装して女子寮に入る並みの)アグレッシブな活躍をしてもらって『ミントな僕ら』が始まってほしいですね。