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栗山千明さんの神秘性フェチ

 ゴールデンウィークじゃーい……ということで昨日はニコニコ超会議というイベントに行ってきました(主に超文フリのスペースに)。

 そこで買った「ヱヴァンゲリヲンのすべて」という本の栗山千明さんインタビューがおもしろいおもしろい。

 インタビュアーがインタビュイーを引き出すのが良いインタビューと考えていますが、その点で聴き手の坂上秋成さんが上手いと感じました。

 栗山千明さんが理想の男性像・女性像にヱヴァンゲリヲン渚カヲル綾波レイを挙げていることは有名ですが、両キャラクターに(またヱヴァンゲリヲン自体にも)共通する神秘性が女優・栗山千明の根本にあり、彼女の纏う緊迫感や神秘性はそういった憧れを演じているのではないか……というのがインタビューの本旨。

 単純に「ヱヴァのここが好き!」とか「カヲル君のここが好き!」とかだけではなく、それが女優としての在り方にどう繋がっているかまで至るのが良い。確かに栗山さんのオーラはすごいですよね。黒ロンならあたりまえーと考えがちなところですが、インタビューではそれを神秘性の点から掘り下げています。


 両キャラクターを好む理由を栗山さんは「私の場合、そもそも実際にはいない人とか、現実にいても自分ではそうなれないなって思う人に憧れることが多い」と語ります。

 また途中、この本の企画で行ったアンケートでアスカがレイに差をつけて一位であった話が出て、坂上さんが「神秘的なキャラクターって今は受け入れられにくくなっているのかな」という方向に振ると

栗山「たとえば芸能人でも、わたしが小学生や中学生の頃って、手が届かない感じの人やカリスマ性のある人が人気だったんですけど、最近はどちらかと言うと、クラスにいるような親しみやすい人が好かれる部分ってあると思うんです。どちらがいいかって話ではないんですけど、私自身は今でも自分から遠く離れた場所に立っているような人に魅力を感じます」


 平田オリザさんが「かわいい」は日本語に欠落している対等な関係の褒め言葉だと言っていましたが、上への尊敬が見える「美しい」よりも「かわいい」が多用される傾向にも「カリスマ性のある人から親しみやすい人へ」という流れを感じます。
 栗山さん自身も「かわいい」より「美しい」が合い、時に崇めるようなファンが現れるあたり、ここで語る神秘性の影響を受けているのは確かと思われます。

 とまあいうわけでまあ、ざっくり言うと神秘性フェチなのですな栗山さん。


 黒髪ロングのミステリアス・ビューティー性については以前ふれたところであり(関連:黒髪ロングの文化史 〜平安貴族から萌え時代まで〜 - 水星さん家)、このビューティーのところはいずみのさんの言う美人・美少女属性に繋がるところです。

(……と、なんで黒髪ロングがポイントかというと、一種の「ヒロイン属性」としての黒髪は「すごい美少女」を表現する上で非常に相性が良く、だから「黒髪ロング好き」の人の中には「美人キャラ好き」が多い傾向があるからなのですが。)
絶世の美少女を描く説得力/森夕『魔法科高校の優等生』1巻 - ピアノ・ファイア


 そしてミステリアスの方に注目したのが栗山さんの神秘性フェチなのですな。

 こうした拘りあっての栗山さんの黒髪ロングという文脈まで読める意味でも実におもしろいインタビューでした。