読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

今週の黒ロン:『恋愛ラボ』

 人気なんです。


恋愛ラボ 1 (まんがタイムコミックス)

恋愛ラボ 1 (まんがタイムコミックス)


 マキは私立のお嬢様学校に通う中学生。二年生にして生徒会長を務める、容姿端麗・成績優秀・公明正大な「藤姫様」。ところが彼女は恋に恋する乙女回路が全開で、生徒会の役員は今日も彼女の「恋愛研究」に連れまわされます。


 『恋愛ラボ』の舞台は女子校。そこで当然のように行われるのは「彼氏がほしい」という女子トーク。女子陣が活動を通して少しずつ成長し、仲良くなり、と続くのは他の女性キャラクターの多い作品と共通ですが、それらが行きすぎて百合チックな要素を持ってしまう(あるいは読者がそういう方向に見てしまう)ものとは異なり、『恋愛ラボ』の場合、男性キャラクターも出てきて徐々に恋愛方向にも進展していきます。そこで毎日鍛えた(?)恋愛テクニックが活きていないところも面白い。

 特段ゴールのあるような活動をしているわけでもない、ともすれば永遠の日常的に終わりそうなこの話の中で、はっきりとストーリーを感じられる。それは、宮原るり先生が「恋に恋する」から地に足の着いた恋愛に、といった少しずつの内面の変化を描くのが本当に巧いからでしょう。

 『恋愛ラボ』は4コマにしては細かく描き込む方だと思いますが、例えば6巻の表紙を見れば判るように、恋をする女子がすっごくかわいい。『恋愛ラボ』では、「こういうのがかわいいと思う」の女子トークが延々続けられ、つまりそれを何度も何度も見られるのです。

 それが黒ロンであればさらなり。と言うことで黒ロンのマキさんが誰にも彼にもモテまくるのは自然の摂理。黒ロン優等生のマキが、実は恋愛研究にアクティブというギャップ。目を輝かせてロマンを語る女の子っぽさ。そのマキが始めは嫌いと意識していた男に落ちていく過程は、この漫画で一番ゆっくり進んでいる見所。


 「いつか素敵な彼に「ぬばたまの髪だね」って言われたくてヘアケアがんばってます」と言うマキは、黒ロンの映えるシチュエーションを必死で考え恋愛研究をしています。
 黒ロンがそのまま自然ではなく努力して維持していること、その美しさに自覚的であること。いわば黒ロンという武器を理解し磨いていることは現代的で、その努力がストーリーにもマッチしているということで、『恋愛ラボ』こそはまさに黒ロン漫画と言う他ないでしょう。

 日々成長する女子は、昨日より今日の方が、今日より明日の方が美しい。黒ロンにも同じことが言えると思います。「いつか素敵な彼に」が、「明日、特定の誰かに」に替わるとき。そのときもっと、マキの黒ロンは美しい。