パンケーキをめぐる冒険 ~ソンジン編~

 パンケーキとホットケーキの違いをご存じだろうか?

 実はパンケーキもホットケーキも大体同じもので、ただパンケーキの方が言葉の意味が広い。お好み焼きもパンケーキの一種と言う話はパンケーキ界隈ではあまりに有名である。
 ホットケーキという言葉は日本独自というわけではないが、日本では非常によく浸透している。そのため最近のブームで出てきたパンケーキと伝統的ホットケーキとの違いを、厚さで認識している方も多いかもしれない。パンケーキは厚い、ホットケーキは薄いというイメージだ。実際、家庭で作るパンケーキと比べて店のパンケーキは厚いことが多い。
 その理由は、基本的には朝食であるパンケーキは時間をかけず作ることにある。早く作るために薄く焼く。しかし時間をかけても厚いパンケーキを食べたいという願望がこのパンケーキ文化を築き、そして支えてきた。


 少々前置きが長くなったがヨコハマが誇る日本最厚レベルのパンケーキ店「CAFE SALON SONJIN(ソンジン)」へ行った。


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 ヨコハマへ行ったのは「ミルキィホームズブシロード7周年記念ライブin横浜アリーナ」という世界イベントへ参加したためだが、ライブという観光目的ではない時間の限られた用事で移動する際にパンケーキを食べるという楽しみはおすすめである。

 私のパンケーキブームの発端はこの記事だが、この方もライブの際に食べてたらしい。

パンケーキが好きなんじゃなくてパンケーキが好きな自分が好きという女の病 - それは恋とか愛とかの類ではなくて



 ヨコハマのパンケーキ店は朝から行列というほどでもないが、休日のいい時間はさすがに数組の待ち列ができている。店自体はヨコハマの中心から外れているので、さすが人気店である。
 さて初心者は数組なら少し待てばすぐ入れると思いがちだが、そこまでパンケーキは甘くない(味は甘い)。先に述べた通り厚いパンケーキは焼くのに時間がかかるからである。一般のパンケーキ店なら十分二十分は当たり前、ソンジンではなんと三十分だ。「そんなパンケーキのために待てるか!俺は自宅で作るぞ!」と言う方、どうぞ作っててください。
 今回は店の対応で、列待ちの間にメニュー注文をし焼いてもらっていた(それでも店に入ってから出てくるまで時間待ちした)。

 客層は都内のように若い女性客メインでなく家族連れやお年寄りなどもいて、男性客が一人で並んでいても「なにこの人、ぼっちパンケーキ男子……?」という目線を向けられることはなかった。ライブ前に女子力を削られなくてよかった。

 店内はこれまた落ち着いていて、食器もおしゃれだった。和の雰囲気が漂う老舗カフェといった感じだ。文学的パンケーキを食べるに相応しい。若干地下に下った場所に位置することもあってか、いつまでも居座りたい心地よさがあった。つくづくパンケーキはシチュエーションが大事である。

 さーてあとは食べるだけだ。ふわふわよりはしっとりした、おそらく卵をけっこう使った重量感あるパンケーキ。溶かしバターやメープルシロップもついてきたが、単体で十分満足のいく濃厚なお味だ。大きさは厚さほどではないが、ボリュームがあり、お腹の空いた三時のおやつとして食べたいパンケーキである。


 宝くじは夢を買っているという表現があるが、パンケーキも夢を買っているもとい夢を食べているのかもしれない。子どもの頃に抱いた、プールいっぱいのゼリーを食べたいというような無邪気な夢。実際食べてみるとちょっと思ってたのと違うというがっかり可能性も含めて、夢は夢だ。

 ソンジンのパンケーキはその中にきっとあったであろう、バースデーケーキのように厚いパンケーキを食べたいと言う願いを叶えてくれる。いい夢見させてもらったぜ(この後ミルキィライブということでもっといい夢も見て現実に帰還した)。