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2014年に読んだマンガ部門別十選

 はい、しばらく更新のないまま2014年が終わろうとしています。既に仕事納めの方、一年の労働大変ご苦労さまでした。まだ仕事納めでない方、もう少しです。そもそも仕事始めがなかった方、会社は死だ。むしろこれからが戦いだろと言う方、京大SF研が舞城全レビューを出すそうです。

 前略今年も読んだ漫画のベストを選出します。選考のレギュレーションは昨年と同じく以下の通りです。こちら選ぶ側も選びやすく見る側も見やすい部門分けとなってますのでこれから年末更新にかかる方はどうぞご自由にお使いください。

新作部門
 対象:2014年に1巻が出た漫画から2作。
完結部門
 対象:2014年に完結巻(1巻完結含む)が出た漫画から2作。
総合部門
 対象:上記以外で2014年に単行本が出た漫画から2作。
黒ロン部門
 対象:2014年に黒ロンな単行本が出た漫画から2作。
2014以外部門
 対象:2014年に単行本は出ていないが初めて読んだ漫画から2作。


 MTG青使いだった全ての人に贈るカードゲーム漫画。主人公の静かに暗い勝利の孤独を描いていく一方で、他のおもしろい対戦者も続々現れ、カードゲーマーが相対化されてきたことからも今後が楽しみである。特にロマンさんは本当に居たら応援したくなるくらいで人気者なのわかる。

 相変わらずこの人の漫画は見ているだけで楽しいなーとつくづく。非常にオーソドックスなストーリー展開ながらもどこかおかしくなっていく様がやはりミルキィホームズを想わせます。


 天野しゅにんたさんは前の連載も大学が舞台でしたが、女子高的な他と隔てられ独立した百合空間を使わず、市井の(?)百合漫画を描いています。西UKOさんといい大人の百合漫画というのがちらほら出てきて個人的には大変うれしい。そして百合漫画というだけでなく、大学という急に一人の時間が生じ、これまでのことやこれからのことを想わずにはいられない、そんな大学生漫画としても楽しめると思います。

 短いエピソードの連続する序盤に比べると女神編が長く間延びした感は否めませんが、総括としてハーレム系ラブコメの歴史の残る漫画でしょう。ギャルゲーマーならではの拘りあるキャラクター造形が好きで、そのために締め方が難しくなるのがこの手の作品の運命ですが、そこを見事にクリアーしたラストが良いものでした。


  • 総合部門:吉元ますめ『くまみこ』

くまみこ 3 (コミックフラッパー)

くまみこ 3 (コミックフラッパー)

 『白銀妃』同様に読んでいて楽しいタイプの漫画。既に当たり前のものとなっているヴィレバンやしまむらを改めて見つめ直すことができ、それによりまちの気持ちに寄り添える。よく言われる様に笑えるとか童心に帰れるとかいうのも確かにあるが、悲しさや寂しさもあり、作風はシンプルながらもっと楽しみが広がっている漫画と思います。

 『LIAR GAME』の甲斐谷さんが描く競馬漫画。基本は大学生が競馬で儲けようとする、『LIAR GAME』等に比べると地に足の着いた話ですが、そのため青春ものとしてのおもしろさは抜群に感じます。青春の一時代みたいなものには必ず終わりが来るもので、この漫画でも嘘をついてかろうじて繋がっている関係にリミットが見える。でもそういった楽しさは嘘ではないすばらしいものだと今でも思う。


天啓のアリマリア(1) (講談社コミックス)

天啓のアリマリア(1) (講談社コミックス)

 少年誌で久し振りに良い黒ロン漫画がきましたー。黒ロンはカリスマ、信奉されるくらいのカリスマがあってこそと思う私ですが、『天啓のアリマリア』はお嬢様のカリスマがあり、それに付き従う執事の少年がありとお手本のような黒ロンスタイル。『カケグルイ』と言い黒ロンギャンブルお嬢ブームが来てもいいのよ。

星空のカラス 5 (花とゆめCOMICS)

星空のカラス 5 (花とゆめCOMICS)

 黒ロンオブザイヤーでも推した囲碁漫画。憧れの人の元カノにして女流棋士が現れ、棋士として女性として悩みだす主人公。その恋で強くなると言う選択が少女漫画誌での囲碁題材にかっちりはまって心にくる。プロ棋士の世界でも若い人の活躍があり『ヒカルの碁』以来の囲碁ブームとまではいかずともこの漫画はもう少し読まれてほしいなと思います。


  • 2014以外部門:池辺葵『サウダーデ』

サウダーデ(1)

サウダーデ(1)

 池辺葵さんの派手な演出を避けた静かな空気が作中の喫茶店ともマッチしています。と言ってもキレイな話ばかり集めたものではなく、店主の芳乃さんがちょっと頑固で面倒だったり悲しく終わる話もあったり。そしてそれらが淡々と描かれ作品に包み込まれることでとても上品な漫画に仕上がっています。

 思春期の少年少女の閉塞した世界観を、彼らの心情を吐露するモノローグで描くのが望月花梨作品の特徴。しかしそれが説明過多とならず、特に性描写は暗喩するなど、微妙な表現と子どもの言葉が誰にでもあっただろう「あの頃」をリアルに感じさせてくれます。あと望月さんは良い黒ロン描きでもあります。


  • 総括

 世の中には単行本派という言葉がありまして、既に雑誌掲載された内容でも単行本化されていないものについては見ていない者を指しますが、それで言うと私などはKindle派なので単行本化されていてもKindle化されていないものは結構な頻度で未読になります。どころかセールになるまでほしいものリストに入れたままにすることもしょっちゅうなので、今も他の方のまとめを見てほしいものリストの積み漫画が増えるばかりです。
 そういった状況でもなんとか漫画の年間まとめだけは細々続いているのは、私自身学生時代この年末はインターネットな漫画まとめを読んで新しい面白い好きな漫画を見つけてきたので、そこに還元したい気持ちもあるのだと思います。と唐突に振り返りたい気分にさせるのでやはり年末の空気は好きですね。それでは皆さま良いお年を。