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今週の黒ロン:『君は淫らな僕の女王』

今週の黒ロン

君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)

君は淫らな僕の女王 (ヤングジャンプコミックス)

名門私立高校に通う、家柄も容姿も成績も完璧お嬢様・昴。彼女を追いかけて何とか同じ学校に入った幼馴染の主人公。ある日「おまじない」が叶って2人の部屋は繋がってしまう。その代償に昴は一日のうち半時だけ自制心を失うことに――。


 例え物理距離が近くても、黒ロンと一般ピーポーの間にはどうしようもなく高く険しい壁がある。その間の壁がもし消えたら……というファンタジーが『君は淫らな僕の女王』だ。

 ヤングジャンプに掲載された読切のときから好評だったエロコメディで、人一倍自制心の強い昴がそれを失う瞬間の、オンオフ切替りが急激でエロおもしろい。

 手が届く距離にいるのに住む世界が違うと感じさせる昴は、近いようで遠い黒ロンという存在をよく表している。その2人の距離が急にゼロになりまた自制心もゼロになる設定が急激に話をおもしろく回していく。

 この漫画、メインの2人はお互いがお互いのために2人の間の壁を越えようと努力しているのだけれど、結果的に事態を好転させるのはそういった努力ではなく意外にも自制心を失った、自分に正直な行動であったりする。

 おまじないを叶えた裏の神様は人と動物の違いは自制心のあるなしと言うのだけれど、その自制心を失ったことで良い方向に回っていくことから見るに、人間も時には自制なしに正直に動いた方がいいのかもしれない……ということを考えさせられつつもやっぱ自制心ゼロはやべーなゼロはと思わざるを得ない漫画なのだった。

 設定の爆発力を最大限活かした読切版も好きだが、1巻完結の連載版はそれが2人のラブストーリーへ着地していく流れがうまく、いろんな意味で理想的な黒ロン漫画になっている。まだ読んでいない人はお財布の自制をしないといい黒ロンが見れるぞ。