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今週の黒ロン:『終電にはかえします』

今週の黒ロン


 『甘々と稲妻』でブレイク中の雨隠ギドさんによる百合短編集『終電にはかえします』。

 特に後半の3作は「一瞬のアステリズム」は3少女の三角関係、「永遠に少女」は黒ロン幽霊と少女の百合、「大人の階段の下」は姉の友達の黒ロンに憧れる中での姉妹愛と、黒ロン的にもおすすめであります。

 特に好きなのが「大人の階段の下」。艶やかなぱっつん黒ロンへの憧れと子どもの独占欲。そこから姉への想いへという流れが大変よいです。何よりこの妹さんもいずれ黒ロンになるんだなーて夢がありますよね。

 同性愛に対する葛藤などガチな同性愛ものっぽい描写は見られませんが、それよりは少女期のちょっと意地悪だったり優しかったりな心の動きが見もの。「百合はファンタジー」かもしれませんがその中に在るキャラクタの心は本物より本物らしいこともあり。

 各編それぞれに良さがありますが、全編を通して単行本タイトルである「終電にはかえします」のような優しさを感じます。そして3作の黒ロンもめちゃボリュームあるウェーブ、ちょいがさつなスーパーロングストレート、ちょーキレーなぱっつんストレートと描き分けられているのが1冊で3度おいしい。
 砂糖菓子のように甘い少女期の、黒砂糖より甘い黒ロン。雨隠ギド先生の次回黒ロンにも期待できます。