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『ライブ ミルキィホームズ 総天然色祭』感想

 初期のミルキィホームズは競馬場や始球式や平安神宮でライブをやるなど、妙なコラボ企画を連続していた。これは「他のどんなユニットもやらないようなこともやるのがミルキィホームズである」という宣言であり、新人ユニットとして登場したミルキィホームズによる世界に対するテロリズムでもあったと考えている。世界をミルキィが侵食し、ミルキィ色に世界を染める。そのProject MILKY HOLMESも早7年目を迎えた。


 5月14日と15日の2日間連続で行われた『ライブ ミルキィホームズ 総天然色祭』。中村プロデューサーが引いて初のイベントとなる今回は、初のカウントダウンライブ開催や新規アニメーションの制作も発表されるなど、先の新たな展開を約束するものであった。

 ライブとしては異例なことに、一部でスマートフォンでの撮影を許可される場面があり、ぼくも1日目は非常に席が良かったので近距離からミルキィホームズを撮ることができた。







  • 総天然色フルパワー

 今回のライブはニューアルバム『総天然色フルパワー』の発売を記念したもので、ライブの中心にこの曲がある。


www.youtube.com




 キャラクター個別カラーを採用した時点で、いずれミルキィホームズが全員集合的な意味合いで「フルカラー」を持ち出して来るだろうことは容易に予想できていた。さすがに総天然色でフルカラーと読ませるとは思わなかったが。

 そういう意味で総天然色フルパワーは出るべくして出てきた曲で、極端な話これがデビュー曲として出てきてもおかしくかなった。ただそうならなかったことで、このタイミングで出てきたことで総天然色フルパワーはさらにファンへ感動をもたらす曲となった。

 当たり前だが、この曲中に出てくる色はその色のメンバーを指している。メンバーの個性までも含んで、その色のメンバーを指している。

 それとは別に、一般的に個性は色に例えられる。総天然色フルパワーには聴き手に個性を発揮してほしいというメッセージも込められている。

 そしてミルキィホームズは7年目にしてみな個性を発揮して、歌詞の通り「それぞれが違う色で最高に輝」いている。
 ソロの全国ツアーを決めた三森さんを筆頭に、メンバーそれぞれ本業以外でも活躍の場を広げるミルキィホームズは、他の声優ユニットとも違った輝きを放つ。今、最も「それぞれが違う色で最高に輝け」と言うに相応しいユニットと思う。

 曲中、何度も「色」や「カラー」と言った言葉が出てくるが、この色が意味するのは「色(ミルキィホームズ)」であったり「色(ミルキィホームズ の個性)」、さらには「色(あなた、そしてみんなの個性)」であったりする。

 その境界をあいまいにすることで、『総天然色フルパワー』はいつも通り元気なミルキィホームズのおばかな話でありながら、全く露骨でないファンへのメッセージも込められている。

 そしてそれはミルキィホームズが実際に「それぞれが違う色に輝」いたことで、7年前は本当に新人であんなにダメダメだったミルキィホームズが今のように輝いたことで、よりメッセージの強さを増して我々の前に現れる。

 以前ぼくは『逆襲のミルキィホームズ』はProject MILKY HOLMES集大成と言ったし、そう捉えている人は少なくないだろう。
 しかしProject MILKY HOLMESはアニメだけではなく、アニメより早く始まり毎年精力的に活動している声優ユニットミルキィホームズとしての集大成は別にある。
 それがこの『総天然色フルパワー』であると思う。歌い手の軌跡を背景に、それを共有したファンに向けてのメッセージが込められ、かつミルキィホームズらしさを感じる遊びに富んだ最高のアイドル曲だ。

 またPVを見れば一目瞭然、『総天然色フルパワー』は特撮作品をイメージしている。特撮、つまり特撮ヒーローだ。ファンに応援されるアイドルが、ファンを守るヒーローになる。これもこの7年でミルキィが「それぞれが違う色で最高に輝」いたからこそできたことである。
 ファンの応援を受け成長したミルキィホームズが、今度はヒーローの立場でファンを守る。『総天然色フルパワー』はそんなProject MILKY HOLMES7年の軌跡を想わせる曲である。

 そんな『総天然色フルパワー』を記念して開催されたライブは2日間あったにも関わらず、ソロパートやペアパートを封印し、全て4人曲(+フェザーズ)で固めることで(ソロ曲をみんなで歌うまでして)、「それぞれが違う色に最高に輝け」を体現したライブとなった。

 『総天然色フルパワー』を意識したギルティとの戦い演出はそれをより強く感じさせたし、ライブ会場でブーイングを求める遊びも他ではないミルキィホームズらしさがあって楽しかった。

 加えてこのライブでは「祭」がテーマとなっている。「わっしょい」の語源が輪をみんなで背負うというところにあるのが重要なファクターである。みんなで、というのが重要で、実際ライブ中、ステージ上のメンバーだけでなく会場のファンも何度も何度も「わっしょい」を言う。


 かつてぼくは『逆襲のミルキィホームズ』のタイトル「ミルキィホームズ」はミルキィホームズ世界の住人すべてを意味していると言った。



 であれば、『ライブ ミルキィホームズ 総天然色祭』における「ミルキィホームズ」には、もう7年もヨコハマに住んでいるファンも含まれていると考えてよいのではないか。we are milkyholmes。

 我々もミルキィホームズで、ミルキィホームズと同じように「それぞれが違う色に輝」けるのかもしれない。ミルキィホームズというヒーローの守る世界で。


 『ライブ ミルキィホームズ 総天然色祭』は(年長者らしく)橘田いずみさんのMCで終わりを迎える。

「わたしたちにはフレッシュさとかはちょっと(彩沙)しかないけど!『みるみるミルキィ』でも夢とか希望とかあげられてないと思うけど!でも、元気だけはあげられてると思う。だから、明日も元気に、行ってらっしゃい!」(2016.5.15橘田いずみ 幕張メッセにて)