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『うちのクラスの女子がヤバい』という革命

1年1組はどこにでもあるごく普通のクラス。だけど、他のクラスとはちょっとだけ違うところがありました。女子生徒がみんな、「無用力」と呼ばれる、まるで何の役にも立たない、それも思春期だけしか使えない超能力を持っていたのです――。思春期女子はへんてこで、それがフツーで、みんなかわいい!衿沢世衣子が描く、思春期限定・ちょっと不思議なハイスクール☆デイズ!



 漫画『ONE PIECE』は主人公の少年・ルフィが幼少期、ひょんなことからゴム人間となるところから始まります。漫画のファンタジーな能力は物語のトリガーとなるもので、登場人物はいつもそれを活用して苦難を乗り越え活躍します。

 衿沢世衣子においては少し違います。思春期だけしか使えない、くだらないささいな超能力「無用力」。場合によっては、場合によらなくてもマイナスに働くことの方が多いこの能力を持って、彼女たちは日常生活を送っています。

 おそらくこれは衿沢なりの「個性」のメタファーで、ものすごい物語のきっかけになる能力だけが個性ではなく、むしろ「個性なんてものは何の役にも立たずすぐに失われるくだらない性質だ」と衿沢は言っている、ように見えます。

 そこに否定的なニュアンスはなく、むしろ他人と比較して優れた能力を持たない多くの人に対する「気にしなくていいよ」という肯定的なメッセージを感じます。表紙画がフランス革命の名画から引用されているのも、「くだらない能力しかない私たちが物語の主人公となる(という革命)」を示唆しているのでしょう。いやはや衿沢世衣子がヤバい。