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今週の黒ロン:『斉木楠雄のΨ難』

 今週の週刊少年ジャンプに掲載された『斉木楠雄のΨ難』「第242回 Ψを見抜け!完璧美少女の試練」 が非常に良い回だった。照橋心美さんメイン回。



 照橋心美さんは外から見れば天使のように完璧な美少女。
 しかしそう見られているのも本人の計算の内で、高いプライドと並々ならぬ努力によって完璧な美少女として演じ振る舞っている、というキャラクターだ。
 そして本作の主人公・斉木は他人の思考を読む超能力者のために、斉木だけは照橋さんの真実を知っている、という構造である。
 だからと言って 、照橋さんの心があまり美しくないからと言って、斉木の彼女に対する評価が落ちることはない。むしろそれだけの熱意と努力を投じることができる照橋さんを、心が読める斉木も尊敬視している。


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 容姿のきれいな人の性格が悪いことを知ってショックを受けた経験は多くの人にあると思うが、照橋さんの場合はそれと異なる。内面が外から見た天使のように完璧な美少女の通りではなくても、そうあろうとするプライドと努力は別の観点からすごいことで、斉木だけでなく一読者としても「外見がいいだけの実は腹黒なキャラクター」として照橋さんを見ることはない。照橋さん自身は完璧な美少女を演じきれば完璧な美少女と同じと考えているようだが、完璧な美少女であろうとする心が完璧な美少女である、というふうに映る。個人的に精神が黒髪ロングであるという表現をまま使うが、照橋心美さんからはそういった印象を受ける。

 以上を踏まえて今週の話は、周りの期待に応えて過度にがんばりすぎてしまう照橋さんと、それを心配してなんだかんだで影ながら見守り続ける斉木という2人の関係。そして照橋さんがその斉木の存在に気づいた後、これまで高いプライドと並々ならぬ努力によって維持してきたことをいとも簡単に「忘れちゃった」と捨て去り、新たな魅力を輝き放つというストーリーがとにかくすばらしい。

 これ以上はただのストーリー説明になってしまうためやめるが、完璧な黒ロン美少女はすごい努力の上に成り立っている上にさらに進化の余地を残しているというお話で、とても良かった。